似たようなタイトルと内容の本に、池田正隆師の「ビルマ仏教 その歴史と儀礼・信仰」(法蔵館)があり、こちらは石井米雄氏の「タイ仏教入門」と並んで、今後、テーラワーダ仏教で比丘修行される予定の方は、どちらも必読すべき名著、などと、ご紹介させて頂いたこともある。
さて、生野師と池田師の著作の、どこが同じで、どこが違うか。まず、お二人とも日本の僧籍を持つ仏教学者でありつつ、比丘としてミャンマーの僧院で得度して修行し、その成果を研究対象として学術書を著したという点が共通だ。
ただ、生野師の僧院生活は2週間、池田師はおよそ3年間。とは言っても、修行という意味では期間は長いに越したことはないが、学問にとっては、短い体験でも、個人の能力や資質によって優れた研究が出来るだろうから、生野師の僧院生活が短いことを、批判するつもりはない。
ちなみにお二人とも年齢はほぼ同じでいらっしゃるが、修行した時期が違う。生野師は1972年、池田師は1957年。これも時期が古いから情報が古いとは言い切れない。
なぜならば、戦後間もなく修行された池田師だが、師が「ビルマ仏教」を著したのは1995年。一方で、1973年に修行された生野師が「ビルマ佛教」を著したのは1975年。生野師の「ビルマ佛教」の出版の方が、20年も古い。
その生野師の「ビルマ佛教 その実態と修行」は確かに詳しく、池田師の著作を始め、現在に至るまでミャンマー仏教に関する本の中に引用されてもいるし、1970年代のミャンマー仏教の実態を伝える貴重な資料ではあるのだが、やはり現在に近い視点で書かれている池田師の「ビルマ仏教 その歴史と儀礼・信仰」の方が、格段に読みやすい。
そこで私は、テーラワーダ仏教の僧院生活を詳しく知りたい方には、石井米雄氏の「タイ仏教入門」と並んで、先ず池田師の「ビルマ仏教」から読まれることをお勧め致します。
※お坊さんではない学者の方で、テーラワーダ仏教研究のために出家された日本人には、石井米雄氏の他に、タイで修行した青木保氏、山田均氏、ラオスで修行した平井京之介氏などがおられます。
※他に小島敬裕氏は2001年と2003年は、ミャンマーで一字出家されたそうです。
⇒「中国・ミャンマー国境地域の仏教実践」をご覧下さい(2014年5月14日追記)。
※他に小島敬裕氏は2001年と2003年は、ミャンマーで一字出家されたそうです。
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