気づきの傘 | アジアのお坊さん 番外編

アジアのお坊さん 番外編

旅とアジアと仏教の三題噺

 先日、雨の日に、よそのお寺で傘立てに傘を立てようとしたら、横に並べて傘を立てるタイプの傘立ての中で、先にお参りに来た方の傘が何本か、ぴょこんと斜めに突きささっていましたので、私はきっちりと気をつけて、真っ直ぐに傘を立てました。
 
 ところで、一般の方だったら、言葉づかいは悪くても心は優しいとか、態度は荒っぽいけど本当はいい人だということが許されるのかも知れませんが、お坊さんはそれでは駄目です。言葉も行いも静かでなければ、心が静まりません。
 
 だからもしも傘立てが、うっかりするとしっかり傘がささらずに横を向いてしまう構造だったとしても、お坊さんは気をつけて、真っ直ぐに傘が立つように気をつけて、傘を立てるべきです。
 
 というのも、その時、用を終えて傘立ての所に戻ったら、私の傘もぴょこんと横を向いていまして、真っ直ぐに傘が立ちにくい作りの傘立てだったのだなとは思ったのですが、だからと言って今一度、きちんと気をつけて傘を立て、真っ直ぐに立っていることを見届けてから、その場を離れれば、傘が横を向くこともなかったのでしょうから、これはやっぱり、私に気づきが足りなかったのだなあと、我が身を省みた次第です。
 
                           おしまい。
 
 
 
※お知らせ※
タイの高僧プッタタート比丘の著作の
三橋ヴィプラティッサ比丘による日本語訳CD、
アーナパーナサティ瞑想の解説書「観息正念」、
並びに仏教の要諦の解説書「仏教人生読本」を入手ご希望の方は、
タイ プッタタート比丘 「仏教人生読本」「観息正念」改訂CDーR版 頒布のお知らせをご参照下さい!!