アジアを思い出す瞬間 | アジアのお坊さん 番外編

アジアのお坊さん 番外編

旅とアジアと仏教の三題噺

 ふとした時に、何かの刺激でアジアを思い出すということは、アジアを旅したことのある方なら、誰でも経験することかも知れないが、私の場合は朝早くの澄んだ空気を嗅いだ時に、一番それを思う。
 
 山手で目覚めて外に出て、朝霧が澄んだ空に満ちている中、草木を燃やす匂いが漂って来たら、まるでインドのようだ。反対に、市街地で早朝の匂いを嗅ぐと、韓国の朝を思い出す。
 
 夕方の町の匂いに、炭をいこす飲食店の匂いが混じると、屋台の並ぶタイの夜を思い出す。
 
 食べ物に関しては、例えばタイ料理を食べてタイを思い出すのは当然だろうけれど、私は豆乳を飲むとタイを思い出す。タイでよく飲まれているラクタソイ Lactasoy という紙パック入りの甘い豆乳の味を思い浮かべるからだ。マンゴージュースを飲んだら、インドの紙パック入りマンゴージュース、フルーティー Frooti を思い出すのと同じように。
 
 比叡山ドライブウェイを東塔に向かって登っていると、整備された道路で山寺に向かう、韓国のお寺参りを思い出す。
 
 日本でお地蔵さんの祠に付いている卍マークを見ると、台湾を思い出す。遠方の山腹に見えているお寺の石塀などに、遠目でも分かる卍マークが見えることがある。台北から空港へ向かう途中などでも卍マークを遠方に見かけるが、各国共通の仏教を現す印があるのは嬉しいなと思う反面、折角のこのマークが、不幸な歴史によって、世界的には受け入れられていないことを、残念に思ったりもする。
 
※「卍」については、下記のブログが詳しいので、リンクを貼らせて頂きます。この場を借りて、御礼申し上げます。
 
 
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