他愛なきルンポーとルンピーの話 | アジアのお坊さん 番外編

アジアのお坊さん 番外編

旅とアジアと仏教の三題噺

 昨日、他愛もない話をブログに綴ることについての伏線は、十分に張らせておいて頂いたので、本日は心置きなく、誠にもって他愛のないお話を。

 近頃、一般の素人さんたちが、テレビの影響なのか、芸人言葉を口にするのが耳につく。

 業界用語を使って格好を付けているというのではなくて、例えば一般人が、有名な芸人さんのことを指して、○○師匠だとか、△△姉さん、などと言っているのを聞くと、ちょっとむず痒い。

 ところが、こういう表現、調子に乗って使っている、という場合ばかりではなく、テレビでインタビューされた真面目そうな青年が、はい、その方はちょうど新喜劇の××師匠にお顔がそっくりで、などと答えていたりするから、こうした表現は、もはや普通の敬称として定着しているのかも知れない。

 ところで、お若い頃からテレビに出ていた噺家さんや、弟子を持っていない新喜劇の芸人さんが、いつの間にか気がつけば「師匠」と呼ばれていたりするけれど、一体どこからが「師匠」で、どこまでが「兄さん」なのだろうか。

 タイ語でお坊さんに呼びかける時、師匠や住職、年長者にはルンポー(より正確に表記するとルアンポー)、若めのお坊さんに対する時にはルンピー(ルアンピー)という言葉を使うが、タイ人は若く見られることを喜ぶから、どちらか分からない時には、ルンピーと呼んでおけば良いと教えてくれたタイ人がいた。

 慣れてくると、若々しくてもこの人はルンポーと呼ぶべきだとか、年配だけれどもこの方にはルンピーで良いのだといった感覚が、自然に分かるようになってくる。で、ちょうどこの感覚は、芸人さんのことを「師匠」と呼ぶか、「兄さん」「姉さん」と呼ぶか、という時の感覚と、実によく似ているなあと思った、というのが本日のお話なんですが…。

                          おしまい。

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