まあ、どうでもいいような話なのだけれど、辛いもの自慢と言っても、アジア各国の料理の内で、どれが一番辛いかという話ではなくて、自分がいかに辛い料理を食べても平気であるかを、自慢する人々についてのお話。
自称旅慣れたバックパッカーに限らず、日本国内を出たことがない人でも、辛いものを食べても平気な人は、そのことを自慢する傾向にあるが、辛いものを食べられるかどうかなんて、単なる体質の問題に過ぎないのだから、それを自慢したり、或いは辛いものを食べられない人を見下したりする必要なんて、全くないと思う。
私はタイのお寺で暮らしたことがあるので、人よりは辛いものが食べられる方だと思うのだけれど、日本のカレーショップで少し辛めというオプションを選んだら、汗が止まらなくて困ったことがある。
一方で、本当に辛いインド料理や韓国料理を食べてケロッとしている日本人も、決して珍しくないから、これは単なる体質に過ぎないんだなあと思う。
さて、インドに滞在していた頃のこと。過去にインドに駐在した経験5年以上、その後の渡印は数知れず、ヒンディー語はペラペラで、インドのことなら右に出るものはないと自称していた、とある日本のお坊さま、自分はインド人があきれるほど辛いものが得意なんだから、とびきり辛い料理を作れとインド人のコックさんに自分から命じておいたのにも関わらず、青トウガラシを大量に入れられて激怒した。
タイで暮らしていた頃からプリック(青トウガラシ)が大好きだった私は、この程度で? と横目で見守っていたのだが、そのお坊さまは辛いものが得意なこのオレが、こんなに辛いと思うんだから、こんなものは料理じゃない、まったく限度を超えている!! と随分ご立腹のご様子だった。
はいはい、すっぱいブドウはお嫌いですか。何事も、自慢というのはみっともないなあというお話でした。
おしまい。