仏教を勉強して、いくらか自分で修行を始めてみても、気づいてみれば日常生活での悩み苦しみは相も変わらず、仏教、仏教と言いながら、いったいオレ何やってんねん的な、自問自答にさいなまれている方もいるかも知れません。
私が小さい頃によく読んでいた手品の本に、「デパートの奇術用品販売の実演を見て、道具を買って来て、説明書を一回読んだぐらいで、練習もせずに他人に見せて、うまく行かずに失敗した経験はありませんか? それはきちんと練習をしないからです」といった文章が、よく出て来ました。
仏教の知識を身につけて、少し瞑想をしたくらいでは、日常生活の喜怒哀楽に振り回されることも多々あるでしょうけれど、まだまだ道は半ばなのですから、それは当然。少しも怖れることはありません。
ひるまずたゆまず繰り返し、繰り返し、気がついたなら省みて精進し、少しずつでも前へ進む、その一歩一歩こそが修行です。