今年の初めに台湾の苗栗県を訪れて、旧知の彭雙松(ほうそうしょう)先生にお会いした時のことだ。
台湾の台中県に9階建てだか、90メートルだかの、とてつもなく巨大なビル型寺院が出来て、信仰を集めているから行ってみませんかと仰って頂いたのだが、あいにくと時間が取れずに、次回の課題とさせて頂いた。
台湾の高雄県にある大宗派の仏光山や、前回、彭先生にご案内頂いた苗栗県の九華山大興善寺だって、日本人の感覚からすれば十分に大きいが、さりとて巨大寺院の流行は、何も台湾に限ったことではない。
タイでも新興宗派のタンマガイ寺院の巨大さは、何かと話題に上るし、インドのリシケシュにあるバーラト・マーター寺院は7階建てだ。
デリーに出来た超巨大寺院である、アクシャルダーム寺院については日本の新聞でも紹介されたし、日本人の方たちのインドブログでもおなじみだが(2014年追記:現在は「地球の歩き方 インド」にも載っています)、同じくデリーに位置するラクシュミ・ナラヤン寺院ですら、1938年の建立という時代を考えれば、結構、巨大だ。
語弊を恐れずに言わせて頂くと、日本では新興宗教的な建物にしか見られないような感覚の建造物が、アジアの仏教寺院や宗教施設に多く見られるのは何故なのか。
タイでもインドでも各地に夥しい数の大仏が建造されているし、日本を訪れたタイ人やインド人は、京都の寺院よりも、奈良の大仏の印象を嬉々として語る。
仏教徒も含めた多くのアジア人が大きい物を喜ぶこの感性は、一体、何なのだろう? アクシャルダーム寺院のことも含めて、近々、もう少し考察を掘り下げてみたいのだけれど、とりあえず今回はこの辺で。
※写真は九華山大興善寺のトイレ。トイレだけでもとてつもない広さです。