今さらながらと思われるかも知れないが、映画「スラムドッグミリオネア」の原作である、「ぼくと1ルピーの神様」を、たまたま図書館で見つけて読んでみたら、これが評判通りで面白い。
既に映画の公開時にたくさんの人が、ブログその他で感想を書いていることだけれど、1章ごとに短編小説のようにオチがあり、章が積み重なるごとに、主人公の生い立ちとクイズに答えることが出来た理由が読者に分かり、さらに全体の仕掛けも浮かび上がるという、凝った構成だ。
大阪で、インド総領事を務める著者が描いた、現代インド社会の裏表の描写もさることながら、どんでん返しが連続するトリッキィな展開が、まず物語として面白い。映画にはないエピソードも満載なので、映画を既に見ている方でも、十分に楽しめる内容です。