バンコクの運河…ワット・サケットとセンセーブ運河 | アジアのお坊さん 番外編

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旅とアジアと仏教の三題噺

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 人工の丘の上に仏舎利を納めた仏塔が建つことで有名なワット・サケット寺院の横を流れるセンセーブ運河の運河ボートは、個人旅行者にもおなじみだ。

 「バンコクの好奇心」(前川健一著)の「道路と運河」の項には、センセーブ運河がいつ、誰によって開かれたかが載っていて、「東南アジアを知る事典」(平凡社)の「クローン」の項と併せて読むと、バンコクの運河の歴史がよくわかる。

 私が生まれ育った大阪の河川や運河は、護岸工事のために川岸など少しもない文字通りの「泥の河」で、近松の「心中天網島」の橋づくしのくだりが嘘のようなドブ川ばかりなのだが、私は好きだ。

 ワット・サケット周辺も昔は写真の絵葉書みたいな、のどかな水郷風景だったようだが、今ではご存知のような汚い運河だ。けれど、私はそのドブ臭い匂いも含めて、バンコクの運河が何より好きだ。