私が修行させて頂いた、タイのワット・パクナムというお寺にはたくさんのお供養が上がるので、私はそこでいろんなタイの食べ物の種類を知ることが出来た。果物もたくさん頂いたが、例えばドリアンの匂いもマンゴスチンのおいしさも、ワット・パクナムで初めて覚えた。
マンゴは例のカオニャオ・マムアン、つまり蒸しもち米とマンゴのココナッツ・ミルクがけという形で食べることが多かった。実際に取れたてのマンゴのおいしさを知ったのは、その後、インドの日本寺に赴任してからだ。
ブッダガヤの日本寺には、建物を越すほどに背の高い、大きなマンゴの木があって、酷暑期から雨期の初めにかけて、文字通り、たわわに実を結ぶ。取っても取っても、食べきれないほどだ。
半分に割ってスプーンで食べるマンゴのおいしさは格別だ。今まで食べたどんな果物よりもおいしいと、掛け値なしに断言できる。この酷暑期にインドを旅する日本人の方は少ないと思うが、もしもあなたが今、インドにいて、本物のマンゴを食べたことがないのなら、是非バザールでマンゴを買って食べてみてください。それはそれは、えも言われぬおいしさだから。