釜山の梵魚寺(ポモサ)にある聖宝博物館は、建物だけでも立派で綺麗な博物館だが、一際印象深いのが、東山和尚の遺品の展示だ。
韓国独立前、日本の統治下にあった韓国仏教は、日本仏教の悪影響で戒律が乱れ、僧侶も妻帯していたが、第二次大戦後、これを刷新すべく、韓国仏教の浄化運動が繰り広げられた。
この運動の中心になった僧侶の一人が東山和尚で、和尚は運動が決着を見るや、再び梵魚寺に籠って修行三昧の内に亡くなられた。
衣鉢や僧籍証明書に混じって、仏法興隆と世界平和、そして祖国の統一を願う和尚の書が掲げられていて、見る者の胸を打つ。