今回は、食べ物に関する思いつくままの雑談です。
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寿司にマヨネーズを塗る人が、周囲から気持ち悪がられる話が昔のサザエさんに出てきたが、今ではもう、米飯とマヨネーズの組み合わせに驚く日本人はいないだろう。キムチもいつの間にか日本人の誰もが食べるようになったし、ゴボウや水菜や菊菜が年寄りくさい和食材ではなく、パンやサラダの具材として、若向けの店で供されるようになって久しい。
手巻き寿司や冷しゃぶはいつから、日本の家庭の定番メニューになったのだろう。市販のポン酢の種類がこんなに豊富になったのは、いつからだろう。七味唐辛子より一味唐辛子の方がおいしいと主張する人が増えたのは、いつ頃からだろう。ちなみに私は断然、七味派だ。
私はタイで修行するまではナンプラーが苦手だったのだが、今ではこの調味料も日本ではお馴染みになった。日本食のメニューが豊富になり、アジア料理が日本でも定着し出したのは、多分、80年代末から90年代にかけて、バブル期からのグルメブームの流れで、アジア料理がエスニック料理などと呼ばれていた頃が始まりだと思う。
その頃から、パックツアー、個人旅行を問わず、海外に行く人が増え、飲茶を始めとする香港料理だけではなく、タイ料理やインドネシア料理が、日本のレストランや居酒屋のメニューにも溢れ出したように思う。
アジアン・カフェ的な所で、パッタイとナシゴレンとフォーが一緒にメニューに載ってて、タイ風焼きそばのパッタイを頼んだら、日本の海苔がかかってたりする状況は、今もあんまり変わっていないけれど、みんながいろんな食材を食べて、料理の幅が広がるのは、いいことだと思う。
ちなみにタイで修行中に東京堂で買って読んだ、タイの仏教を批判した小説「蛇」の中に、貧乏人はご飯にナンプラーをかけて食べてるのに、お坊さま方はいつも目玉焼きを食べてる! とタイ人女性がぼやくシーンがあった。
それは貧しい食事だ、とてもそんな食べ方はできないと当時は思ったが、タイ料理に慣れた今では、タイ米にナンプラーをかけて食べるのは、とてもおいしいと思うようになりました。
おしまい。
おしまい。