🎬『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』
THE POST (2017)
スティーヴン・スピルバーグ監督が
「今、撮るべき作品」として、撮影中の他の作品を差し置いて
急きょ製作した作品ということで、
撮影が開始されたのは
トランプ大統領が誕生した直後、
スピルバーグがトランプを意識して撮ったのは明らかです。
二期目になってからさらに振る舞いが酷くなったドナルド・トランプ。
もはやイラク戦争の時のように理由をでっちあげることすらせず
イランが先制攻撃してくる「予感がした」から先制攻撃したという
もはや滅茶苦茶なことになっています。
最近『大統領の陰謀』を観ましたが、
まさに本作も‘今観るべき作品’と思って続けて観ました。
実は本作の内容は知らずに、
タイトルだけ見て『大統領の陰謀』みたいな映画と想像していましたが、
くしくも本作もニクソン政権下での物語でした。
ベトナム戦争を分析・記録したアメリカ国防省の最高機密文書が“ペンタゴン・ペーパーズ”。
国民の戦争への支持を得るために
芳しくなかった戦況を隠していたのが当時のニクソン政権。
少し驚いたのは、良いイメージがなんとなくあったケネディ大統領も同様に戦況を隠していたということで、
つまり、現在の戦争を見ても分かりますが、
戦争はいったん始めてしまったらなかなか終わらないということです。
こと、アメリカが起こした戦争は、
勝つ見込みが少なくなっても
アメリカの面子のために続けられてしまうんです。
80年前は日本も同様の状態だったはずです。
ボクら国民が国にとって不都合な事実を知るためには
報道ジャーナリストに頑張ってもらわないといけないんです。
本作は『大統領の陰謀』と同じく、
政府の圧力にも屈することなく、
報道の自由と国民の知る権利を守った
ワシントン・ポスト紙のジャーナリストたちの物語です。
まさに今観てよかった(!!)と思いました。
先に文書をスクープしたニューヨーク・タイムズ紙は政府から記事の差し止めを要請されたので、
文書を記事にして出したら法律違反で裁判にかけられることが確定してるような状態。
そこでワシントン・ポストの社主・発行人のキャサリンと
編集主幹のベンの葛藤が描かれるわけですが、
ベンはイケイケで、葛藤してるのはキャサリンの方。
本作が秀逸なのは、キャサリンが女性の会社オーナーであることによる
男女差別についても描いているところです。
キャサリンを演じたメリル・ストリープはさすがの演技ですが、
個人的に一番素晴らしい演技やったと思っている
ベトナム戦争を描いた『ディア・ハンター』を思い出しました。
キャサリンは父親からワシントン・ポストを受け継ぎましたが、
従業員を守らないといけないという思いと同時に、
父親が報道の仕事に託したであろう思いも考えます。
そこで彼女がリスクは覚悟の上で新聞が本来あるべき姿勢を貫こうと決断するのが素晴らしい。
市民によるデモのシーンもあって、
当時の反戦ムードもしっかり描いています。
印象的やったのは、家族がベトナムに派兵されてる女性のシーン。
短いシークエンスですが、
ひとたび戦争が始まれば、身近な人まで戦争に駆り出されてしまう現実をきっちり見せてくれます。
もはや国の面子を保つために続けられているような戦争でです。
ジャーナリストが政治家と仲が良くなってしまうことの問題点も描いています。
ジャーナリストには冷徹な判断が求められるということです。
日本の今の主要新聞は全く信用できなくなりました。先の選挙報道以降。
高市政権に金で買われてるか脅されてるかのどちらかでしょう。
地上波テレビも同じ。
だからこそ本作のジャーナリストたちの姿を見て胸が熱くなりました。
ベンが言った「報道の自由を守るのは報道しかない」という言葉に納得。
国が間違ったことをしていたらそれを指摘するべきなのが報道。
権力に屈してしまえば報道機関そのものの存在意義がなくなります。
この頃の日本では野党が自民党を追求することが批判されるという、
今までになかったような状況になっていますが、
これも金にものをいわせてメディアを操る自民党の策略に見えます。
昔ならあり得なかった。
しかし、間違ったことをしている政権にそれを指摘する者がいなくなれば
もうその国は終わりです。
日本の主要なメディアは終わってしまったように見えます。
今はこうして個人で発信できるから、
それがいい方向の大きなうねりになっていくことを願います。
そして、本作や『大統領の陰謀』のジャーナリストたちのように
日本でも気骨のあるジャーナリストがもっと出てきてほしいです。
それが大きな勢力になれば、数の力であぐらをかいている現政権を揺さぶる力になるはずです。
『シビル・ウォー』で短い出番ながら 赤サングラスの強烈なキャラクターを演じたジェシー・プレモンスが出ていましたが、
本作ではワシントン・ポストの法律顧問を演じた彼が
『シビル・ウォー』ではアメリカの分断を象徴するような役を演じていたのが興味深いです。
今思えばトランプの一期目はまだマシでした。
日本でもスパイ活動防止法が高市政権により導入されようとしていますが、
一見 スパイを取り締まるような法に見えて
実は国民の自由を奪うものになるのは間違いありません。
まるで“私が国家”のような振る舞いを続ける高市早苗に対して
国民として最大限の警戒を払うべきです。
高市自民は熊本への長距離ミサイルの配備を
熊本県知事への事前連絡もなしに強行しています。
殺傷兵器の輸出も決めました。
高市の犬になってる吉村の維新を支持するのも危険です。
健康保険まで壊される勢いです。
民衆がひとつになれば権力にも対抗できるはずです。
まずは考えることが大切だと思います。
デモや抗議行動にはなかなか参加できなくても
自分の考えにもとづいて投票することはできるはずです。
日本では4割ほどの有権者が投票をしていません。
この4割の人たちが投票したら政権を変える力になるでしょう。
“報道が仕えるべきは国民だ
統治者ではない”
公職選挙法違反まがいの自民党の広告を投票日当日に載せた
日本の主要新聞はすでに死に体に見えます。
数々の疑惑がある高市早苗・自民党をしっかり追求できるジャーナリストが
たくさん登場することを願います。
アメリカもトランプを糾弾するようなジャーナリストが出てほしいです。
【ラストシーンのネタバレ】
おっ(!!)となりましたね!!
『大統領の陰謀』の冒頭につながって終わって鳥肌立ちました!!!
ニクソンはウォーターゲート事件によって退任に追い込まれました。
ワシントン・ポストが遂に最高権力者の大統領の犯罪を暴いたわけです。
実際に事件が起きた直後に政権の犯罪を描いた『大統領の陰謀』に対する
スピルバーグのリスペクトも感じます。
トランプ政権誕生のタイミングで本作を急きょ製作したスピルバーグにも
権力には屈しない、熱い気持ちがあったのは間違いありません。





















































































