月9ドラマ『海のはじまり』特別編“恋のおしまい”
【ドラマのブログは基本ネタバレです】
⚠️否定的な感想も書くので御注意下さい。
今回は水季と津野のエピソードで、
タイトルから内容は想像つきました、 というか、
今回描かれたことはドラマの序盤の段階で想像はできてたんですが、
一話まるまる使って描いてくれるとは思ってなかったので、
ずっと気にはなってた水季と津野のエピソードをがっつり観れてよかったです。
このタイミングで《特別編》という形で放送するのは珍しいと思うんですが、
いつもある回想シーンがメインになったエピソードど捉えたらよいかと思います。
先に‘否定的な感想も含む’と書いてしまいましたが、
古川琴音ちゃん目当てでこのドラマを観始めたボクとしては、
やっと琴音ちゃんをタップリ観れたのは良かったんですが、
ドラマももう終盤ですから、
水季のキャラクターをいかに描くかが重要になるわけです。
初回では自分勝手にしか見えなかった水季のキャラクターは徐々に肉付けされて、
最初に抱いた悪いイメージはだんだん無くなってきてました。
だから、水季メインの今回のエピソードで水季のキャラをほぼ容認できるところまで持ってきてほしかったんですが、 正直また、(水季って自分勝手やな)という印象に逆戻りしてしまった感があります。
津野に対して一見誠実にというか、
率直な言葉を投げていますが、
結局は津野を何年も振り回して、その上に、海ちゃんはまだ小さいから
これからもよろしく的なこと言うなんて
余りにも津野を都合のいい男にし過ぎでしょう。
同僚の女性が前に言ってたように、確かに津野は好きで海ちゃんの世話をやってますが、津野だって男ですよ。
水季と付き合いたい気持ちはあるし、
水季もそれを分かった上で、自分も津野のことが好きだという意思表示までしながら、あれこれ言う。
水季が言ってることも気持ちも分かりはするんですが、
(それそのまま言う?)って感じでした。
正直な人間と、肯定的に捉える方もいるでしょうが、
自分にどこまでも優しい津野の性格を分かった上で自分は本音を吐露して楽になってるように見えました。辛そうにはしてても。
あそこまで言うんならもう仕事以外では関わらないという決断をするべきやと思いますが、まだ津野の優しさに甘えようとする水季はまた初回に抱いた‘自分勝手な女’という印象にボクは戻ってしまいました。
ただ、脚本の生方美久さんはわざと視聴者の反感を買う展開にする人やともう分かってるし、そもそも連続ドラマなんてこういうものですから、ボクが納得できなくてもそれは生方さんの手の平で転がされてるだけとは思いますが、もう終盤ですからもう少し共感できるキャラに持ってきてほしかったです。
ここまできたら前回の最後に出てきた水季の手紙に全てかかってくると思いますね。
津野のキャラクターはいい意味で予想通りで、
とにかく一途で可哀想になってしまうほど。
ボクも若い頃は好きな女性と仲良くなるところまではいっても、そこから先に行けないタイプやったから、
津野には凄く共感を覚えるところがありました。
だから切ないというか、
まぁ、今までの展開でこうなることは分かってたんですが、
津野が予想以上にただただ一途で、
なんとも切なかったです。
だいたい「自制できる」うちは本当の恋じゃないんですよ。
水季なんて一番自制できなさそうな人間やのに、その自制の理由は海ちゃんで、まぁそれは当然のことではあるんですが、
子育てをまるで未来がないことのように描写してたのは、子供を育ててきた親としては凄く残念でしたね。この部分ももちろん残りの二話でちゃんと子育てについて前向きな答えを出してくれるとは思いますが、
もう9つもエピソードを重ねてるのに、
まだ子育ては大変なことばかりみたいな描写はなんだか残念です。
まぁ行ったり来たりするのが連続ドラマやから仕方ないんですが、
琴音ちゃん目当てやったから
津野との大事なエピソードではもっと共感できるキャラにしてほしかったです。まぁXとか見たら感動してる人の方が大半やったみたいですが。
↑
ここまではリアタイで一回観ただけでツラツラと書いたんですが✑
TVerでもう一回観たらだいぶ印象が変わりました。
感動してしまいました。
最後の方の水季の言葉で大切なところを
それまでの水季の言葉があんまり気に入らなかったので
ちゃんと聞けていませんでした。
ここは本当に正直な言葉ですよね。
津野のためでも二人のためでもない、
もし津野と付き合ったら嫌な自分になってしまう、
海ちゃんが一番ではなくなってしまう、
この水季の言葉で、それまで納得できなかったところも理解できました。
敢えてこのブログの前半部分を残したまま
こうやって書いてるのは、
ドラマでも映画でも初見と二回目の印象が変わることってけっこうあるんですよ。
初めて観て面白かった映画が二回目観たらつまんない、ってありますよね。
あと、今回のボクみたいに一回では理解しきれない時もあります。
もし、ボクみたいに水季の言動に納得いかなかった方は
もう一度観てみることをオススメします。
でも、また話を戻すわけではないですが、
二回観たら より津野が可哀想になるし、
やっぱり、関係が深まる前に水季は津野から離れた方がよかったとは思いますね。
津野がいい奴なだけに。
津野に期待させてしまったぶん、より津野が可哀想ですが、
考えてみたら、
水季は自制してる心を解き放ちたい願望があったのかも、ともとれるかな。
だからデートしてみた、と。
「海がずっと一番」という水季の気持ちを、
手をつなごうとした津野のところで表していたのは上手い演出と思うと同時に
津野の気持ちになったら切なさしかなかったです。
津野は踏ん切りがついたみたいやけど、
結局は夏を忘れられない水季のように
水季を忘れられない男になるんでしょうね。
やっぱり 水季は罪なとこあるな~‥、とは思ってしまうかな。
でも、夏との大学時代の楽しい思い出でなんとか生きてるようにも見える水季もまた切ない気はします。
夏と水季のこと考えたら、やっぱり別れずにいたらよかったのにって思うよな。
結局このドラマで一番好きなのは
夏と水季が付き合ってた大学時代の回想シーンな気がします。
『恋のおしまい』というタイトルから
水季と津野の恋の終わりを想像したし、実際そうでもあったんですが、
二人の恋の終わりというより、
水季の人生における‘恋のおしまい’であったことに胸を打たれました。
水季がすでに亡くなってしまってるから、
本当におしまいになってしまった‥。
水季は津野のことも本当に好きやったんやな、とここで思えました。
夏と弥生の恋のはじまりと
水季の恋のおしまい―。
なんか、一回目と二回目の感想が違い過ぎますが、
あえてそのまま残しました。
初回では不快な気持ちにすらなったこのドラマにまんまとハマって、
このまま完走できそうです。
先に書きましたが、ここからのポイントはあの水季の手紙。
そして、それを読んでからの弥生の行動やと思います。
夏の答えは出てる。
海ちゃんも。
子育てでいっぱいいっぱいになると「自分に色がなくなってきます」と言った水季を見て寂しい気持ちになっていましたが、
最後の最後に生方さんは日常のほんのひとコマで、
子育てがかけがえのないものであることを伝えてくれました。
水季はもういませんが、
最後は夏と海ちゃんと弥生の三人が笑顔で一緒にいるシーンを見たいです。