WILLARD (2003)
主演クリスピン・グローヴァー(『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『チャーリーズ・エンジェル』)
これは1971年の同名作品のリメイクですが、ボクはオリジナルは未見。
ネズミの動物パニック映画ということで、そのテの作品を特集していた本で見たことあったから
ずっと気にはなっていました。
続編の『ベン』は子供のころTVで見た記憶があるんですが、
‘動物パニック’というより‘動物と少年の友情物語’という感じが印象に残っています。
このリメイク版は日本ではビデオスルーやったからレンタル落ちをGETして観たんですが、
正直期待外れで眠たくなって、ほとんど記憶にも残っていませんでした。
でも先日久しぶりに観た『チャーリーズ・エンジェル』のグローヴァーがやっぱり素晴らしかったので、
こちらも久しぶりに再チャレンジしてみました^^
【ネタバレ込み🐁】
正直やっぱりそんなに面白くなかったんですが(^_^;)
今回はしっかり観れました。
そもそも「面白い」という類の映画じゃないんですよ。
簡単に言うと、自分の財産を奪おうとする嫌味な上司に復讐する話なんですが、
今回あらためて観ると、グローヴァー演じる主人公ウィラードの境遇が
現代においてはけっこうあり得ることで、身につまされる部分もありました。
だから今回はちゃんと観れたんやと思います。
そもそもネズミってボクは怖いというより、
『トムとジェリー』のジェリーもそうですが、かわいいところもあると思うんですよね^^
ハムスターやモルモットと似たような見た目やのに害のある動物として退治されてしまうのはなんかかわいそうな気もします。
今書いてて思いましたが、そんなネズミやからこそウィラードは共鳴できたんでしょうね。
社会から疎外されている者同士として。
ウィラードは母親の介護をしていて、それが仕事にも影響したりしてしまうんですが、
ボクもいい歳なので親の介護という現実がいつきてもおかしくないし、
実際身近でもそういう境遇で苦労している友人がここ数年出てきているので、
そういうことを実感していなかった初見の時とは違って、
ウィラードの立場に今回は感情移入できたんやと思います。
しかしそうなるとますます本作の救いの無さが胸に迫ってきて、
後味もハッキリ言ってよくないです。
そもそもハッピーエンドにはなり得ないストーリーですから。
今回久しぶりに観て意外に楽しめた(楽しい映画でも決してないんですが)もうひとつの点は、
ボクの見間違いでなければ、本物のネズミを使っているシーンが多いところですね。
2003年の時点なら動物もほぼオールCGで描けたと思うんですが
本物を使ったと思われるシーンの方が多いのが意外でよかったです。
明らかにCGなのはネズミが大量に出てくるシーンくらいですかね。
CGとわかってても、これだけいたらおぞましさがありますね(・_・;)
でも一番キツかったのはネズミのシーンではなくて、
自分に好意を寄せてくれていた会社の同僚の女性(ローラ・ハリング)に引かれてしまうのを
絶望的な状況でウィラードが目の当たりにしてしまうシーンでした。
ここはキツかった‥。
そもそもウィラードは人との付き合いが苦手やったから
せっかくけっこうキレイな女性が近づいてきてもそれを受け入れようとしないところが勿体ないというか‥。
しかし、いきなり猫ちゃんをプレゼントされてもねぇ…(苦笑)
ここでマイケル・ジャクソンの『ベン』の美しい主題歌が流れるという悪趣味な演出が
一番おぞましかったですね(^^;)
本作のイメージをひとことで言うと「切ない」ですね。
ネズミが苦手な方なら動物パニックものとしての恐怖を味わえるでしょうが、
本作の一番の見所はなんといってもクリスピン・グローヴァーの演技です。
もともと変わり者らしい(ウィキペディア参照)グローヴァーの狂気演技のハマりっぷりは凄いです。
監督・脚本・製作に ボクが一番怖かったホラー映画『ファイナル・デスティネーション』の
グレン・モーガンとジェームズ・ウォンが名を連ねていたんですが、
『ファイナル~』とは比べるべくもありません。
彼らのフィルモグラフィーを見るとあの『X-ファイル』シリーズにも絡んでいたそうなので
この手のジャンル映画の名作に造詣が深いのは間違いないと思います。
オリジナルが製作された70年代そのままの雰囲気で描かれているのも
オリジナルへのリスペクトを感じました。オレ観てないけどw
ひとつハッキリ言えるのは、グローヴァーのファンの方は必見です!
とっくに観てるでしょうが(笑)