『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノが監督した『グエムル -漢江(ハンガン)の怪物-』は
映画館で観ましたが、観終わってから打ちひしがれた記憶が鮮明に残っています。
当時はまだ韓国映画に対しての免疫がついてなかったので、
ラストの展開にショックを受けたんです。
その後、韓国映画を何本か観るうちに、韓国映画=情け容赦無い
というイメージを持つようになったので、今なら本作のラストも許容できると思ったし、、
それに何よりポン・ジュノ監督の『パラサイト』が素晴らしかったので、
今さらDVDをポチっとして、劇場公開以来13年以上ぶりに観ました。
かなり久しぶりやったから、特に印象的やった部分以外はほぼ忘れてました。
怪獣が唐突に出てくるイメージが強かったんですが、
冒頭でそれなりに示唆はされてたんですね。
ブログのテーマはとりあえず【怪獣映画】にしましたが、
本作の面白いところは 怪獣そのものではなくて、
その怪獣に相対する主人公家族の姿こそが面白い!
『パラサイト』を観た上で観ると、‘家族を描く’ことにジュノ監督はこだわってるのかな(?)
と思いましたね。
本作の怪獣は真っ昼間に堂々と出てくるシーンが多くて、
しかも、怪獣とは言っても デカ過ぎないサイズ感が絶妙で、
他の怪獣映画にはない面白味があります。
CGの精度がイマイチなところもありはしますが、
暗いシーンでごまかそうとしてないところはいいですね。
主演のソン・ガンホが素晴らしいのは言わずもがなですが、
怪獣に連れ去られてしまう娘を演じたコ・アソンも好演。
おジイちゃんもイイ味出してて、最初はキャラが薄い(まわりが濃過ぎる?!w)と思っていた弟も
終盤以降は活躍するところがいいバランス。
そして、映画館に足を運んだ一番の理由やったペ・ドゥナちゃんの存在感がさすが!!
なかなかキマらない特技のアーチェリーが
ここぞ(!!)というクライマックスでキマるシーンは最高の映画的カタルシス!!!
普通ならこのテの作品には、軍隊とか政府の人間がメインで絡んでくるもんやけど、
あくまでも主役は怪獣に娘をさらわれた家族!
決して裕福ではないし、そんなに賢そうにも見えない家族の面々が、
自分たちが持つ限りの知力・体力・財力を使って娘を助けるために奔走する姿は熱いです!!
でも、それをシリアス一辺倒で描かないのがいいところ^^
社会風刺も織り込んではいるものの、そこも敢えて強調はしない。
ソン・ガンホ演じるダメで子供っぽいところがある父親が、
娘を助けようとする過程で、ボロボロになりながらも
‘父親としての強さ’が出てくるところこそが見ものなんやとあらためて気づきました。
そういう目線で観た時、
映画館で観た時はほろ苦かったラストに、
全く違う余韻を感じることができました。
映画ナタリー@eiga_natalie
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2020年04月05日 21:30