HANNA (2011)
‘殺人マシーン’と書きましたが、
本作はそんなハンナが人間の感情に芽生えていく過程こそが見ものになっているといえます。
ジョー・ライト監督はドラマで高い評価を受けている監督さんで、アクション映画を撮ったのは本作のみなので、他のアクション映画には無いような味わいと余韻が残る作品になっています。
美しい自然を写したシーンも印象的なので、アクション映画でありながら、
殺人マシーンうんぬんを超えて、自然界で人間が生きていくことの意味まで監督は問おうとした、
と言ったら大袈裟かな(^^ゞ
先日観た『悪女 AKUJO』のキム・オクビンが、撮影前に本作も参考にしたという記事を読んだので、
劇場で観て以来7年振りに観ました。
シアーシャ・ローナンは好みのタイプではないんですが、
その美しさはまさにスクリーン映えするものでした。
『ラブリー・ボーン』の彼女も本当に美しかった!
ローナンはその美貌だけではなく、まだ23歳なのに、今年 自身3度目のアカデミー賞ノミネートを受けた実力派であるところも素晴らしいです!
もっと 評価されてもいい女優さんやと思います。
彼女主演のプリンセスものの企画が一度上がった記憶があるんですが、頓挫したんかなぁ~‥。
お姫様役がどハマりする美しさやと思うんですが^^
本作、先に書いたように、ドラマで定評のある監督が撮っているせいか、
派手なアクションはありませんが、
ローナンのオーラで、派手さはなくとも印象的なアクションシーンになっています。
比較的低予算の作品なので、ここはロケハンして見つけた場所だと思われますが、
作品の世界観とピッタリで、素晴らしい効果を上げています!
もし、わざわざ作ったセットやったらゴメンナサイ(笑)
父親役を演じたエリック・バナは 誠実な感じがして好きな俳優さんなんですが、
今回はアクションも自身で演じているところが見応えがあります!
そして、演技派でありながら 悪役を演じさせたらピカイチのケイト・ブランシェットが敵役なので
作品が締まります!
本作の一番の魅力は、ドイツ・モロッコ・フィンランドなどでのロケが素晴らしい効果を上げていて、
アクション映画なのに、すごく情緒的な雰囲気が味わえるところにあると思います。
途中で仲の良い家族に会って 一緒に旅をするという展開がいい意味で意外で、
少し ロードムービー的な面白さがあるのも、このテのアクションとしては珍しいと思います。
この家族の娘(ジェシカ・バーテン)が初めての友達になるところも良かったですね^^
ローナンは撮影時16歳くらいだったはずですが、
ライト監督は十代の女の子ならではの儚げな美しさをしっかりと捉えているので、
ローナン自身にとっても、大切な作品になったんじゃないかと思います。
ラストも凄く印象深いものでした。
大金を掛けて派手なCGをこれみよがしに見せつけるような作品に限って記憶からは消えていきますが、
地味でも一本 芯の通った作品は記憶に残り続けます。
今回、初めて【別エンディング】も見てみたんで、それも貼っておきます↓
ハンナは‘自然と共生できる’女の子なので、
地球が生き続ける限り、彼女も生き続けると思います―。