SOUL SURFER (2011)
この作品は四年半前に映画館で見て感銘を受けたんですが、
実話である本作の主人公べサニー・ハミルトンさんの映像が去年TVで流れてるのを見て、
また 見たくなってDVDを買ってたんですが、
サーフィンのお話でもあるから夏に見るつもりが見ないまま年を越してしまいました。
毎年 年の最初に見る映画にはこだわって、昔はよく007とか見てましたが、
今年はこの『ソウル・サーファー』にしました。
一度見ていたにもかかわらず、ベサニーがサメに襲われるシーンでビックリして声を出してしまいました。それほど本作はリアルに撮られていて、それはサメに襲われたくだりだけではなくて、サーフィンのシーンも同じく臨場感タップリ。
序盤は意外に普通に楽しい青春映画のノリやからこそ
ベサニーが左腕を失ってからは、特別盛り上がるようなシーンではなくても
感情を何度も激しく揺さぶられました。
ある程度以上生きてきたら、‘人生 いつ 何が起こるか分からない’というのは実体験として皆あるものやと思う。
だから、べサニーの家族に降りかかる災いも他人事には見えないんです。
ベサニー自身がアナソフィア・ロブちゃんをご指名して、撮影前に実際に会ってコミュニケーションをとったというだけあって、サーフィンのシーンも含めて ロブちゃんは意志の強い主人公を熱演。
意志が強いとはいっても、そりゃあ酷く落ち込むことがあるのも当然。
そんな時、神様に向けた言葉を発するのが印象的でした。
信仰心を持って生きていく姿に説得力を感じました。
そこには変な宗教臭さなどはなく、ただ純粋に神様を信じようとする姿が印象的でしたね。
両親を演じたデニス・クエイドとヘレン・ハントの素晴らしい演技もあって
べサニーの家族のあたたかさが本当に胸に染みます。
主治医の先生を演じたのが『ポルターガイスト』で家族を守る父親を演じたクレイグ・T・ネルソンっていうのもいいです。
想像だにしない家族の危機に
「ノアを生んで退院した時、初めてで何も分からなかった。 あれと同じ、
日々の積み重ねよ」
と言う母親の強さには本当に心打たれました。
たしかに家庭ってそういうもの。
出産だって家庭の一大事で、そりゃあアタフタしますからね。
どんな家族だって日々 そういうことの繰り返しで絆が強くなっていくんやと思う。
とにかく周りの人間たちのあたたかさに心が救われます。
大会のために一度は行くことを止めたボランティア活動で見た景色に心動かされ、
自分が大好きなサーフィンで自分にしかできないことをやったベサニーが
その行為によって‘真実’に気づくところが素晴らしい。
そこには特別なことなんてない。
人間にとって一番大切なのは“愛”だという、一見当たり前のことに気づけた素晴らしさ。
そして‘優勝すること’が目的ではなく
‘大好きだから’サーフィンをまたやりたいと純粋に思う気持ちの大切さ♡
本当にそれを愛して楽しんでやる人間には誰も叶わないという事実。
嫌味やったライバルもべサニーを認めたのはそういうこと。
両腕があった過去に戻りたいとは思わないべサニーの力強い言葉は
前向きに生きる力を与えてくれます。
人生が本意じゃない流れになったとしても、そういう人生になったからこそ、そこでしか見えない景色が必ずある。だったら、その景色を見ながら その景色の先にしか見えない未来を夢見ればいい。
「人生とサーフィンは似てる。
波にのまれたら 立て直せばいい。
次はいい波が来るかも」
「神を信じていれば
どんなことも乗り越えられる」
今年は去年より前向きになれそうです―^^