GONE GIRL (2014)
【ネタバレ注意】
本作をまだご覧になったことのない方は、これは読まずに本編をご覧下さい!
まずは何も知らずに観て、ストーリー展開に驚かされましょう!!^^
5回目の結婚記念日に妻が居ない我が家の異変に気付いたニック(ベン・アフレック)は警察に通報。
他殺と失踪の両面で妻エイミー(ロザムンド・パイク)の捜査を始めた警察だったが、
その容疑は次第にニックに向けられることになる…。
こういうプロットなら普通は“本当に夫が犯人なのか?”というサスペンスになりがちやと思うんですが、
本作の展開は前半こそそうですが、1時間を過ぎた辺りから展開が急変(!!)
まさに片時も目を離せなくなります!!
本作は時間の交錯のさせ方が本当に上手くて、
妻が疾走してしまい、その事態に翻弄される夫の姿と、
この二人が出会ってから結婚生活を送っていくまでの過去の姿が平行して描かれるのが見もの。
二人の間に何があったのか徐々に分かってくることによって、
妻の失踪事件に新たな展開が付け加えられていく様がスリリングです!
男は最初はこう言う(笑)
お互いライターで、気の効いた会話を交わし、まるで運命の出会いをしたかのようだったニックとエイミー。
自分たちをまるで〈理想の夫婦〉のように思っていた二人でしたが、
結婚生活という現実が徐々に二人のトーンを変えていく…。
ライター同士で、エイミーの親は人気作家で資産もあるという、誰もが羨むようなカップルでも
結婚に現実が伴うことに変わりはない。
二人の失業に端を発した不調和音は、ニックの母親の体調が悪くなり
二人が母親が住む片田舎に引っ越すことになって決定的なものになっていきますが、
この展開が非常にリアルです。
結婚とは家庭同士の付き合いも当然絡んでくるわけで、当人同士だけの問題ではなくなってくる。
こういう点でギクシャクしてしまう夫婦はたくさんいるでしょう。
そんな どの夫婦でも起こり得る問題からサスペンスに発展していくから、
自分も身につまされるというか、非常にリアルに迫って来るサスペンスを楽しめます。
若い女と浮気していたことが発覚して、ニックが窮地に追いやられる展開もリアル。
結婚生活がマンネリ化してきたら浮気心が頭をもたげるのは男として普通やと思う。
実際にやっちゃうと問題やけどww 想像はしなくもないよね(笑)
だから、本作を観ている男性たちはさらに緊張感が増すのです;^^
辣腕の弁護士を雇ったことによって、
ニックが自分にかけられた容疑を晴らすために行動する展開もスリルをはらんできます。
【ここからさらに重要なネタバレです】
実は中盤以降早々に、
結婚生活に幻滅したエイミー自身が今回の騒動を仕掛けていたことがネタバレされるので、
無実でありながら世間を敵に回してしまったニックと、
悲劇のヒロインに自身を仕立て上げたエイミーとの対立軸ができて
ますます目を離せないサスペンスに突入していきます!!
失踪した妻の策略とは知らず、ニックを不貞を働いた酷い夫として悪者に仕立て上げるマスコミの罪深さまでもきっちり描いているところも見もの。
しかも、その マスコミの愚かさを逆に利用して反転攻勢をかけるニックが見事で
ますますスリルが高まっていきます!!
夫を妻殺しの犯罪者に仕立てる計画を完璧に遂行していたエミリーに
想定外の事態が起こるところも見もの。
それによって さらに二転三転する展開に雪崩れ込んでいきます!!!
有名なTV番組で正直な男を‘演じ’ 反撃してくるニックに見入るエイミーの表情が輝いてくる―。
結婚生活の現実によって冴えない男に成り下がってしまったように見えたニックが
言葉巧みにキャスターや視聴者を煙に巻く姿を見て、エイミーは結婚前の冴えた会話で自分を楽しませる機知に富んだニックを思い出します。
そして、ここからが本当に恐ろしい!!!!
ニックへの愛情が復活したエミリーはニックのもとに戻るために驚愕の行動に出るのです。
(さすがデヴィッド・フィンチャー!!)と思わず心の中で叫んでしまうような
目を背けたくなるシーンも出てきます。
一流のサスペンスで作品を見事に構築しながら、それでもやってしまう^^ところが好きですね~!!
アカデミー賞主演女優賞ノミネートも納得のロザムンド・パイク戦慄の演技!!!!
サイコパスであることが分かった妻が夫との結婚生活を復活させようと思って
その為に新たな策略を巡らす怖さ!!
ニックにしてみれば殺害容疑をかけられるより恐ろしいに違いない。
キチガイの嫁さんと一つ屋根の下で再び生活しないといけないとしたら…。
まさにそれこそ【真の恐怖】と言えるでしょう。
結婚とはしょせん‘他人同士’が一緒に生活すること。
そこではお互いに相手をリスペクトする言動をとらないと、
幸せな家庭が一気に地獄になってしまうこともあるのです。