本当の悪が存在する場所は?~『NY心霊捜査官』 | 【映画とアイドル】

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DELIVER US FROM EVIL (2014)

 

 

 

 

本作のスコット・デリクソン監督の『エミリー・ローズ』はボクのフェイバリット・ムービーのひとつと言っていいくらい大好きな作品なので、これもずっと気になってました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

観る前の想像では、

悪魔やエクソシズム=悪魔祓いを真正面から描いた『エミリー・ローズ』とは違って、

事件が人間の手によるものなのか? それとも悪魔の仕業なのか?というサスペンスになってるのかと思っていましたが、

本作もガチな“悪魔” “エクソシズム”ものになっていました。

しかも、それを冒頭から示唆して、これまた真正面から描いています。

 

 

 

 

 

 

主役が警察官(ラルフ)である点で、犯罪捜査ものの面白さはありますが、

ヘタなハッタリは効かせず、ラルフがこの世のものではない邪悪な存在に近づいていく様がしっかりと描かれていました。

 

序盤はさほど引き込まれなかったんですが、

 

 

 

 

 

このシーンでビビってからは;^^ 一気に引き込まれて、

最後まで警戒?!しながら観てしまう怖さがありました。

デリクソン監督はショック演出が上手くて、音の使い方も秀逸。

観終わった後、いい意味で疲労感が残りましたね(^^ゞ

 

 

 

 

 

 

NY市警の警察官を演じるエリック・バナはどこか憂いのある感じが好きな俳優さん。

本作のキャラクターも、日々起こる残酷な事件に精神的に参り、その病みが家庭生活にも影響を及ぼしてしまう父親役を好演。

たまたま続けて観たからかもしれないけど、リーアム・ニーソンに通ずる雰囲気もあるような気がしますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジョー神父を演じたエドガー・ラミレスの存在感も素晴らしくて、この主役俳優二人のやりとりを観てるだけでも映画的醍醐味が味わえます。

 

意外なほど王道なホラーになっていましたが、

デリクソン監督は『エミリー~』でも見せたドラマ演出の手腕を本作でも発揮し、

“悪魔モノ”でありながらも、人間が悪魔に憑かれる恐ろしさだけではなく、

人間そのものの業にまで鋭く踏み込んでいるところがさすが。

 

事件の原因が人間ではない悪魔の仕業であると早々にネタバレしておきながら、

物語が進むにつれて、人間の中にある《悪》を浮かび上がらせる演出はなかなか。

 

 

 

 

 

本作はこの雰囲気から『セブン』と比較されることもあるようですが、

本作を観た上で『セブン』を思い出したら、あの作品が真に恐ろしいものであったことがよく分かります。

だからといって本作が恐ろしくないわけではないです。

 

実話を基にした物語だからこそのエンディングがボクはとても気に入ったし、

今までの“悪魔モノ”では味わった記憶のない余韻は考えさせられるものがありました。

 

 

 

 

 

“善”の気持ちを持ち、それを仕事にしている人間だってたくさんいる。

しかし、それと同じく “悪”の気持ちを心根に持っている人間がほとんどなんじゃないか、と思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はどんな人間の中にも存在する―。

 

そう感じた時に本作の本当の恐ろしさが分かります。

 

その悪と向き合いつつ、自分がどうあるべきかを考えさせられるところが、

本作が他の悪魔モノのホラー映画たちとは一線を画すポイントなのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

怒りの感情ばかりを呼び起こされてしまう現代の社会生活の中で、

自分と周りの大切な存在とどう向き合えばよいのか?

 

ガチで怖いホラー映画でありながら、

その大きなテーマに対して答えを見い出そうとした本作には敬意を表したいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分の中にある《悪》を認めた上で、それとどう向き合うか―?

 

 

そこには、悪魔との直接的な戦いとはまた違う、

 

自分の中での永遠の戦いがあるのかもしれません。