前編中編ときて、いよいよラスト4曲!

ミーティング参加者はすっかりお馴染み

加藤さん(すばらしか)
ゴツローさん(キーマカリーズとチチワシネマ)
宅イチローさん(Anorak citylights)
よこちんさん(インディー・インタビュアー)

でございます!
(KiliKiliVilla裏話も続出!?)


10.odd eyes / All Time Favorite
-10曲目はodd eyes。

宅:odd eyesは1stを出してるless than TVのレーベルカラーにもあった通り、ハードコアパンク+アルファって感じのストレンジなハードコア出自ってイメージだったと思うんですが、実は1stにゆーきゃんや豊田道倫など明らかにパンク文脈じゃないゲストが参加していて、かつ豊田さんに至ってはただのフィーチャリングではなく1曲丸々豊田さんの弾き語りという使われ方で、新世代感ありました。

ゴツロー:それを踏襲した形でキーマカリーズのアルバムではHi,how are you?原田さんに「ぴゅあしゃい」という曲を歌ってもらってます。まあ、アイツ自身はピュアでもシャイでもないんですけど。

宅:続いて出たSUMMER OF FANの7インチにはCERO高城さんやVIDEOTAPEMUSICが参加していたり、パンクじゃなくてもとにかくセンス良いと感じる人々をガンガン使う感覚というか、そのあたりのさじ加減が今までのジャパニーズハードコアバンドとは全くちがうなーと。

よこちん:彼ら独特の緊張感を持ち合わせていて、音に関してもヒリヒリした部分と言葉が他のハードコアバンドとかと一味違うよなと。宅さんが言っているような感覚も含め、すごい!

加藤:ギターがやっぱいいですね!

ゴツロー:どんな弾き方してるのか、どこを押さえてるのか全然理解できません。

よこちん:ちょうどこのコンピの前後くらいにベースとドラムのメンバーが定まらない時期があったと思うんですが、その後メンバー定まってからのライブも音源もすごくいいんですよ。

ゴツロー:ギターも然りなんですが、最近の音源とかライブ見てたらドラムがすごいんですよね。ほとんどロールでめっちゃキツそう。隙あらばタムって感じで、タムの使い方がすごい!

加藤:初めてライブ見たとき、いい意味でバスドラを感じなかったな。和太鼓みたいな感じ。

-キーマカリーズのよしあきさんも影響を受けたドラマーにodd eyesの方を挙げてましたよ、そう言えば。

ゴツロー:odd eyesの今のベースはshe saidの人で、she saidもこの時代の京都のバンドですね。WHILE WE'RE DEAD.が出た次の年とかにSECOND ROYALからアルバム出してた気が…。
(she said × キーマカリーズとチチワシネマ × Hi,how are you?)

-she saidさごたんとHi,how are you?は大学の先輩後輩で、さごたんに日本のインディーバンドを教えたのは馬渕リーダーだというのを聞いた事があります。
(馬渕リーダーが先輩でさごたんは後輩)


11.Killerpass / レイシズム
-愛知のパンクバンド、Killerpass。後にHi,how are you?との合体バンド、Hi,Killerpassで7インチをリリースしたり、それに伴ったUSツアーを行ったり、ベースにLIFE BALLの下地さんが加入したり、GAUZEや原爆オナニーズと共演したり、何気にトピックが充実したバンドでもあります。

宅:アメリカやスペインのポップパンクを聴きすぎて、結局 「ポップパンクは母国語で歌うのが1番カッコいい」という地点に着地し、そこに名古屋仕込みのブルータルなDビートと現行のスパイスをふりかけたエフェクトのギターを搭載したのが当時のKillerpassだと思ってて。

-うん、うん。自分はスウェーデンのTHE PASTを思い出すんですよ。

よこちん:この曲は今でもライブの最後にやっていたりしますよね。

ゴツロー:タムの使い方とスネアの音がかっこいい!

加藤:ドラムの音、今っぽくなくていいね。

よこちん:彼らがどんなバンドでありたいかってのを打ち出した、この当時の軸となった曲でもあると思いますね。いつも「夢みたいなことを ずっと考えてる」という最後のフレーズにくらってしまいます。大好き!

ゴツロー:わかります!歌詞が分かりやすくて染みる。

宅:MILKやTHE ACT WE ACT含めて「やっぱり愛知ってコペンハーゲンとかに全然負けてない爆裂都市やな」と思わせてくれた最高のバンド!

よこちん:もっとこじらせたパンク好きな若者はKillerpassに夢中になってほしいなー。


12.SUSPENDED GIRLS / The Sun Wind In Summer Zeal
-12曲目のSUSPENDED GIRLSは広島を拠点とするポップパンクバンド。

宅:これは相当、安孫子汁濃厚なチョイスですね!安孫子さんと角張さんがやっていたSTIFFEENというレーベルは、ポップパンク系は安孫子さんのチョイス、エモっぽいのは角張さんのチョイスだったみたいで、SUSPENDED GIRLSはデモが出た時、安孫子さんが猛烈に感動していて「ポップパンクにもネクストレベルがある! 」みたいな事を仰ってました。

よこちん:そんな安孫子さんの盟友の方たちが、よい大人だけど距離も時間もかけてせこせこと昔から好きなポップパンクやってるのが素晴らしいと思います。アンダーグラウンドな昔からある流れですかね。音に関してはナオキッズ節がやはりすごいなと。

-SUSPENDED GIRLSはキャリアある方々によって構成されているんですよね。

宅:メンバーは言わずもがな、NOBODYSはマキシマムザホルモンやWINNERSに繋がりますし、DISGUSTEENSはTHE QUEERSとのスプリットでTHE QUEERSを喰うぐらいのキングっぷり!早朝ピストンズはバンド名が卑猥で。

よこちん:DISGUSTEENSやらNOBODYS、THE DUDOOSに関しては聴いてましたね!DUMB RECORDSの噂や早朝ピストンズの評判も周りから聞いてましたし、ポップパンク好きにはたまらないんだろうなというメンツ!

ゴツロー:やはりDISGUSTEENSですね!YouTubeで見たライブとか凄まじかったです。下地さんのストラップの位置!

-GOING STEADY経由のLIFEBALL~DISGUSTEENSというラインはあるみたいですね。

よこちん:LIFE BALLはそうですね!ゴイステのカバーの功績はかなり大きいと思います。

ゴツロー:自分達世代の京都のバンドマンだとHi,how are you?がそんな存在です。Hi,how are you?のカバーを通じてHaysi Fantayzeeを知るみたいな。

-求心力のあるバンドの条件に「メディアとしても機能している」というのはある気がします。

よこちん:ゴイステ~銀杏のメンバーが発信する音楽とかを掘ったり、着てるTシャツから調べたりしてた、めんどくさく、こじらせた人たちが周りには多いですね。

ゴツロー:NOBODYSは吉川晃司の楽曲を手掛けたNOBODYとは違うんですよね。
(NOBODYの曲で鮮烈なデビューを果たした吉川晃司)

よこちん:ナオキッズさんはゴイステの「東京少年」のMVでたて笛吹いている人として一部世代では認知がすごいとは思うんですよ。世代的にはTHE DUDOOS聴いてましたが、NOBODYSの方も自分や宅さんの世代にとっては影響大きいですね。マキシマムザホルモンにも同名の曲がありますし。2011年にはKillerpassの7インチなど出してるHip catsからNOBODYSのトリビュートも出てて。

ゴツロー:知らなかった~。

よこちん:そのトリビュートにはヤブさんが参加していたWHOOPEESやら足利の3rd&homieの椎名くん率いるりんごアップルズや、下山ヒデ率いるスパンプキングとかも参加していて、今のKiliKiliVilla周辺のレアバンドが参加しているという繋がりがありますね、笑。

-椎名さんのバンド名すごいな…。
(右端が3rd&homieの椎名さん。足利シーンのキーパーソン)

よこちん:2011年はDISGUSTEENSもI HATE SMOKEから確か再発と新譜を出してまして、そういう功績もあって、元から好きだった世代とこの機会に上の世代を知った世代が僕らのまわりにはいたんじゃないかなと思います。

宅:KiliKiliVillaはSUSPENDED GIRLSにもアルバムリリースの話をしたらしいですよ。WATERSLIDEに先を越されたみたいですが。でもSUSPENDED GIRLSと関係が深いTOY-POOH-DOLLSをKiliKiliVillaからリリースしましたし、今後もKiliKiliVillaはちゃんとポップパンクも出してくんだと思いますね。


13.LINK / Douglas
-最後を締めるのはLINK!

ゴツロー:高2の時にKiliKiliVilla企画のNOT WONKのリリースツアーを大阪に見に行って、その時にLINKも見ました。貫禄あったな。

よこちん:LINKはそれこそ昔はGREEN DAYとの関わり然り、かなり売れっ子で、自分も今でも歌詞を追えるくらい歌える曲がたくさんあります。

宅:僕やよこちんさん世代ならど真ん中ですよね。めちゃめちゃカッコ良くて、音源も売れてました。10年代に入り復活したあとは1番カッコ良かった時期の曲ばかりセトリに入れてる事もあり、企画で出るとまわりのお客さんがみんな口ずさんでるですよ、彼らの曲。

-一度、解散してるんですか?

宅:インディーでガンガン売れていたのにメジャーに行った途端スベって売れなくなり、そのままなし崩し的に解散した不遇のバンドです。

よこちん:解散からの復活後はDEMOシリーズみたいな音源を出していたりはしたんですが、ライブ活動なんかも外から見ているとどこか本格復帰というわけでもなく、ペースが掴めていない感じもあったんですよ。でもこのコンピの後にKiliKiliVillaから音源も出しましたし、これへの参加は再始動の狼煙的に自分には映りました。

宅:銀杏BOYZの初ライブがLINKとのツーマンだったり、安孫子さんの音楽人生の節目に常にLINKの存在があったみたいで、WHILE WE'RE DEAD.に入ってもらうことにしたみたいです。

-年代的には90年代後半のバンドになるのでしょうか。

よこちん:2000年代前半から中盤くらいか1番盛り上がってたと思います。2008年とかにチッタで解散しているので。そのあとくらいに自分は東京に来たので、聴いたり観たりしたのは地元や地方ででしたね。

-KiliKiliVillaは新世代の才能を送り出す傍ら、そこに至るまでの重要な80~90年のバンドにも積極的ですよね。今度のBEYONDSのリマスター盤もそうだと思うんですけど。最後の2バンドの参加は、レーベルのそういったアティチュードの表明と受け取れます。

よこちん:そうですね!そして、継続しているバンドというのは共通しているかも。WHILE WE'RE DEAD.に誘ってそこからどちらもアルバムリリースすることになりましたし。


宅:若手のコンピだと思われたくなかったみたいですよ。SUSPENDED GIRLSとLINKはアラフォーですし、世代と世代を繋ぐ役割もこのコンピで果たしたかったみたいです。



-以上でWHILE WE'RE DEAD.THE FIRST YEARに収録された13曲全てを語りました。個人的には、音楽性や地域を噛み砕いてみて曲順の意図がより立体化した気がします。

ゴツロー:よこちんさんと宅さんの解説&見解&検証が濃すぎますね。

-最後に、もしVOL.2が制作されるなら入って欲しいバンドとかありますか?

ゴツロー:Tomato Ketchup Boys、UNDER SOCKS、Suueat!

宅:VOL.1と同じバンドを同じ順番で、同じ曲の再演を入れてほしいです!

-めちゃくちゃビックリ!それ、実は宮古ミーティングスでずっと言ってることなんですよ。曲までは考えてなかったんですけど。全部同じバンドでというのは。解散したバンドもいないし。

宅:凄いシンクロですね、笑。 もう1度同じメンツで作るアイディアありですよね。

よこちん:次回同じメンツでやれたらヤバイですね!おもしろいー!

加藤:同じメンツで作ったらアツすぎる!やるべきだ、安孫子さん!!

宅:もう1枚同発して、そちらにはGEZANとかすばらしかとかキーマカリーズとかUNDER SOCKSとか入ってたら面白そう!

よこちん:同発の新参加ver.あるなら、SHAKE BANGS、anthology three chord、Tomato Ketchup Boys、void of psychokinesis、The Tall Nakamura、The Original Mixed Up Kids、5kai、classroom 、Gale boetticher、THE SATISFACTION、アルカシルカ、チッツ、The Roofdogsとかのうちどれか入ったらおもしろいなと個人的には思います。

ゴツロー:The Original Mixed Up Kidsとclassroom入って欲しい!

よこちん:挙げたバンドの中には完全に予備軍的なサウンドや活動のバンドもいれば、かなり見当違いのもあると思うんですが、どこかで紐付いたりして流れが生まれたらおもしろいなと。安孫子さんが好きそうなものわかるっちゃわかるんですけど、意外といまいちハマらないバンドとかも話してても多いので未だに全貌はわかりかねます。笑

-THE GUAYSとshe saidさごたんの新しいバンド、SAGOSAIDの参加もあれば面白くなりそう。
(Hi,how are you?に挟まれる形でTHE GUAYSヒロシさんとSAGOSAIDさごたん)

よこちん:ゴツローくんがキーマカリーズとは別でやってるバンド、いてこましたるねんも必須ですね。アバヨ!



そんなわけでおしまい!