【BADDYの当て書き研究】珠城りょう編 | 完全に流されまくりの日常…

完全に流されまくりの日常…

突然趣味思考が突然変わりますが、良かったら覗いてって下さい~✨

それなりにたくさん観たので、
そろそろしっかりとした感想を書こうかなと思いますリラックマ


月組の今公演は、
「カンパニー」
「BADDY」
どちらにも
共通したテーマが有りました。


青柳誠二@有明製薬が連発する
“新しい挑戦”
まずはこれです。

前に書きましたが、
「カンパニー」の脚本を手掛けた宝塚のベテラン石田先生が、
あのキャリアとお歳で「新しい挑戦」をされてきた訳です。
個人的には感動しましたキラキラ


作品は石田先生の
今の月組が凄すぎて原作から飛び火して新しい挑戦よろしく原作には無かったエピソードを盛り込み(笑)
と同時に、従来の宝塚事情を考慮・反映した結果、
今の姿になったと理解してます。


「新しい挑戦」
「Break through」

これだけは絶対書きたいという意志がスゴくてこれが石田先生が一番こだわったテーマであることは明白。
今の月組の姿を書きたかった、という事でしょう。




その今の月組の象徴とも言えるトップスター珠城りょう様。

私はこの方を尊敬してますキラキラキラキラキラキラ
宝塚歌劇団の今のシステムは
『トップスター制度』採用してる関係上、
組カラーや作品の在り方にトップスターの意向が大きく影響してきます。


宙組7代目トップスターの朝夏まなと氏
「悲劇はもうたくさん」
と言ったので、
当て書きは全て明るく、
トップコンビが幸せに結ばれるストーリーとなりました。

あとは娘役をとても大事にしてましたねWハート
娘役4人にトップスター男役1人で
美女はべらかし退団
と揶揄された結果になりました(笑)


というように、
トップスターには様々な哲学や意向が作品に影響を与えてる訳です。




では月組の現在の姿。
群像劇が主流ですよね。
トップスターが頂点
という
宝塚伝統のピラミッドとは明らかに
異なります。


以前、宝塚の先輩が珠城さんトップ就任の
『グランドホテル』を見て、
「宝塚らしくない」
と言ってました。

美弥さんのオットー(ブロードウェイ版では主人公)が主人公にも見えるような作品になってたからか、
グランドホテルは華やかなプリマと悲劇的な病人がホテルを後にして、
人生をそれぞれ進んでいく中、
確かに男爵はグランドホテルで死んでしまうし、
翻弄される人生、
という意味では主体的ではなく、
主役っぽさが欠けるという見え方したのかもしれません。

とにかく宝塚の伝統的な見え方(トップスターの役が作品を推し進める)では確かにありませんでした。



2作目大劇場は『All For One』
日本のミュージカル界の巨匠小池修一郎が
今の月組を書きたいだけで勢い任せに作った作品(笑)

珠城さんのダルタニアンは銃士隊のひとり。

銃士隊隊長代理のアトス@宇月颯がクーデターを立案して、
ダルタニアンもその方針に従いながら、
同時に愛する人を救おうとする脚本となってました。
つまり作品の本筋はトップスター以外が担当してます。

いずれの作品も、
ベテランの宝塚ファンからすれば、
「宝塚らしくない」といえばそうなのかもしれません。



このように。

宝塚歌劇団でトップスター制度(トップスターが組替えしない、基本は1人)運用が確立されたのは1980年以降ですが、

宝塚103年の歴史に脈々と受け継がれてきた、
“主役が組のピラミッドの頂点”という姿を珠城さんは完全に無視してます。
いわば宝塚の価値観から逸脱した異端児。

そう、
宝塚的には、トップスターとして珠城りょうの考え方は間違ってる。
「BADDY」
という事では無いかと思います。



それは104年目を迎えた宝塚に対する珠城さんの「新しい挑戦」でもあり、
「All For One,One of All」精神が貫かれた結果ではないかなと思ってます。


なにかをやり遂げるためには、
仲間と一緒。
面白い事は独り締めしない。


敵味方関係無く、受け入れる姿勢。
人質(海老質?)ポッキーの話を聞いてあげちゃう度量の広さ。
しかもお節介も凄い。

人から悪いと言われようが、
自分の信じたものはやり抜く!
だから例え天国行っても、姿勢は変わらない。

全部珠城イズムおねがい

珠城さんが若くしてトップスターになったから、という人もいるかもしれませんが、
同年齢でトップスターになった(私の知る範囲で)宙組初代トップスター姿月あさとさん、
3年前に退団した星組トップスター柚希礼音さんの組運営と比べても今の珠城さんの運営とは違うと、その時代の組坦の先輩達は言ってます。。


若くしてトップになったから、
ではなく、
自分にしか出来ない事をやり遂げたのではないでしょうか。

その為に今このタイミングでトップスターになったのかなぁと思うくらい珠城カラー爆発です。

珠城カラーとは月組のカラーです。
つまり月組の総合力を遺憾なく発揮することこそが、
珠城イズムなのだと思ってます。





この公演で月組、通称「トシの一族」のボス宇月さんは退団します。

よき相棒のちゃぴちゃんも次回で退団。

天国よろしく、タカラジェンヌはいつか退団するのです。
珠城さんにもいつかやって来ることでしょう。

でも退団するその日までイズムを変えずにやりきって欲しいなと願うばかりです、
「ジャマだ、どけっ!」
という勢いで。