話題の月組ショー『BADDY』には、
思わぬ
落とし穴がありました!
それはフィナーレなんです。
2014年から宝塚歌劇団を見始めましたが、
その間に私が観劇してた
フィナーレというのは、
トップコンビのデュエットダンス
(またはトップスター単独)が終了したあと、
大階段に『エトワール』
と言われる歌手がラインダンスを踊った一部の方々と登場してました。
ところが今回は。
『エトワール』の前に、
まず2名のカップルが3人のパトロールバードと共に登場します。
プログラム(上記写真参照)を見ると、
そのカップルは
『魂(男)』
『魂(女)』
と言います。
カップルは軽やかな服で現れ、
それはそれは幸せに踊るのです。
その周りを祝福するように3名の登場人物が見守ってるわけですが。
これは
『BADDY』の
もうひとつのストーリー
地球の『王女』と
BADDY軍団『クール』の
恋物語の結末。
フィナーレが天国であることを観客に知らせるんですね。
ところが、
メインストーリー(BADDYとGOODYまわりのスイートハートやポッキーの話)のみ声が入り、
もうひとつのストーリーは音声無しで展開されていくので、
舞台全体を観てない場合
このからくりを理解しないまま、
唐突なフィナーレに突入してしまいます。
それ故に最後大階段に立ったBADDY閣下が、
わざわざ
「ここはどこだ」
と観客にフィナーレが天国であることを理解出来るよう、
階段下の皆さんに聞いてくれる訳です。
『BADDY』
はストーリー大前提としてまず
『善』『悪』を
BADDYとGOODYの大悪党と警官、
そして
クールと王女の犯罪者と無垢の身分違いの恋でそれぞれ表現しています。
きちんと舞台全体を見てないと、
その全貌解明は難しく、
久美子先生が描く
ラストの意味を理解出来ない
という
思わぬ落とし穴にハマってしまうのです!
もちろん落とし穴にハマっても200%楽しい公演なのは間違いないから、
ハマったまま見るのも良し。
敢えてBADDYとGOODY周りのストーリーを音声のみで感じつつ、
久美子先生の十八番である
身分違いの恋を堪能すると、
ラストの意味を大いに理解出来るでしょう。
クールと王女は肉体から解放され、
魂は天国で結ばれる訳です。
それは全ての登場人物にも同じ事が当てはまる訳で。
新たなストーリー展開を予感させるラストには圧巻です!
まだ何度か観るチャンスのある方は、
この2つのストーリーを同時にぜひ確認して下さい
『BADDY』はこの2つのストーリーが同時に展開されていくのが本当の姿だと思います