「騎楼」の街並みが美しい | ピンカドみぃ~つけた!

ピンカドみぃ~つけた!

一級建築士事務所「KADO」代表・笠松豊がつづる日々のこと。

こんにちは、相田です。

今回は、中国南部や台湾に特徴的な建築様式「騎楼」について紹介したいと思います。

 

 

大きな通りに面した建物の1階部分の外壁をセットバックさせ、

通行や商売に利用できる半屋外空間を設け、2階以上の階がその上に

架かる様式が騎楼と呼ばれます。中国南部や、台湾の市街地に特徴的な

建築様式です。

古い町並みが残る中国南部、広東省開平市赤坎鎮です。

海外との通商の盛んな大都市、広州や香港から近い事もあってか、

ステンドグラスのような色ガラスの入った格子窓や、

アーチのあるベランダなど、ヨーロッパの建物の影響も感じさせます。

雨が多く降る中国南部では、この半屋外通路は、商業空間として

重宝するように思われます。

上は台北の迪化街の乾物屋さんです。このように様々な種類の商店が

騎楼の空間にずらーっと並び、そこを歩いているだけでとても楽しいです。

台北の迪化街。古い町並みが残る、台北で有名な商店街です。

 

また中国の外で、中国南部からの移民が多い土地にもこの

騎楼の商店街は見られます。

マレーシアのペナン島ジョージタウンの一角。

こちらもジョージタウンです。植物がわんさか置かれていて、

南国情緒たっぷりですが、1階に見える四葉のクローバー型の窓などは

いかにも中国的な意匠です。飲食店では、この空間にテーブルが出されることも

多く、大勢の人々が食事をとる風景は街の賑わいを演出します。

クアラルンプールのチャイナタウンの一角。

伝統的な騎楼様式ですが、シンプルな意匠と洗練された色使いで

かっこいいです。ホテルだそうです。

 

セミパブリックな半屋外空間を設け、商業空間や庭の替わりなど様々に

使いこなす騎楼の建物は、特徴的で賑わいのある街並みを作り出し、

とても面白いと思います。