『経済評論家の父から息子への手紙』 by 山崎元 | ☆ Pingtung Archives ☆

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60代おばちゃんの徒然です。映画やドラマ、本、受験(過去)、犬、金融・経済、持病のIgGMGUSそして台湾とテーマは支離滅裂です。ブログのきっかけは戦前の台湾生まれ(湾生)の母の故郷、台湾・屏東(Pingtung)訪問記です。♬マークは音楽付き。

著者は、2024年1月に亡くなった経済評論家の山崎元さん。

画像は出版社webよりお借りしました。

 

投資信託の99%は検討に値しないクズ

 

と言い切り、高コストのアクティブ運用ファンドをばっさり斬った方です。

 

元来、マルい(別の言葉で言えばアホな)日本の投資家は、「熟練の運用者によるアクティブ運用」と言われると、手数料が入り口3.3%、期中1.65%なんていうぼったくり投信を喜んで買う民族。

 

それが、山崎さんのようなマーケット関係者による啓蒙で遅ればせながらぼったくりに気づき、今では三菱UFJの eMaxisシリーズのような手数料を極限まで抑えたインデックスファンドが主流になりつつある日本市場。

 

山崎さんは言います。

 

資産運用は、「全世界株式のインデックスファンド」一択。

これに全部ぶちこめばいい、と。

 

今年始まった新NISAでは、この教え通り、国を挙げて、オルカン こと eMaxis slim 全世界株式(オールカントリー)一直線。(←いいのか悪いのか・・目

積立NISAによるドル買いが平均1.4兆円/月、ボーナス月にはその数倍はあったのではないかとも言われています。

 

結果、運用のほうは、もともと好調な米国株のリターンに円安も相まってかなり良い成績。

自分で自分の首を絞めている円安による物価高で、生活物資の購買力は激落ちしていても、NISAが好調ならバラ色の老後が待っている・・・かどうかわかりませんが、一応オルカン運用は順調、といったところでしょうか。

 

山崎さんについては、上記、ぼったくり投信買うのをやめよう!運動ぐらいしかしらなかったのですが、寿命を言い渡されて息子さんあてに書いたという手紙の内容にはちょっと泣きました。その涙を誘った部分はさておき、洞察に富んだ語りを紹介します。

 

 

    

モテない男は幸せそうに見えない。

 

厳しい環境をくぐりぬけて運のいい個体が成長し、ほぼ生殖のためにだけ競争して死んでいく。特に雄はそうだ。人間もこれに近いのではないか。

 

 

    

「モテ」の秘訣はただ一つ。

 

それは、心からの興味を示しながら、相手の話を熱心に聞くことだ。ひたすら聞くのだ。・・・自分について語ろうとすると、どこかに自慢やアピールが混じる。やめておけ。

 

    

幸福感は一時のもので、人生は通算成績で測るものではない

 

昭和に生まれ育ち、昭和のビジネスカルチャーを渡り歩いた著者が、そのやり方では幸せになれないことを、主に経済や株式の論理をもとに説いた本書。

昨年大学生になったという息子さんのように若くない我々のような世代にも、日本がダメになる過程を身をもって知っているからこそ響きます。