フィクションですが、ノンフィクションを読んでいるような錯覚に陥る作品です。
結果、すごく面白い。
ドラマ化されたらいいのに、と冒頭から思いました。
概要(出版社webより)
元総理が凶弾に倒れ、その場にいた一人の男が捕まった。
日本を震撼させた2発の銃弾。
本当に“彼”が、元総理を撃ったのか?
実際の事件をモチーフに膨大な取材で描く、傑作サスペンス
題材は、すべての日本人の記憶に新しいあの事件です。
安倍元首相襲撃。
ヘッドラインが流れてから、私もテレビにかじりついて事件の顛末を見守ったのをおぼえています。
事件当日夕方、安倍さんの死亡が報道され、奈良県立医大病院の医師の記者会見で、
致命傷のもととなったはずの弾丸はみつかっていない
と救命にあたった医師が発した言葉が耳に残っています。
どういうこと?
それに、犯人とされる男の動機は十分なものだとしても、そこから安倍さんが標的になったことにやや飛躍があるな、とみんなが感じたのではないでしょうか?
そして消えた弾丸。
夫人までもが
と不自然な警備体制や弾丸の行方を訝しがる事件。
ここから思いっきりネタバレです。(これから読まれる方はスルー願います)
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事件の筋書きは
首謀者: 右翼の大物
表面上の犯人: 宗教団体にただならぬ恨みを抱く者
影のスナイパー: 1987年の朝日新聞関西支局襲撃事件のスナイパー
凶器: 鋭和3Bという空気銃でアマルガム弾というターゲットの体内で溶ける弾丸
なぜ元首相が狙われたかと言うと
祖父の代からの宗教団体との癒着
「令和」という、日本国を他国に支配させるという意味の元号を決めた大罪
米国相手の売国奴のような取引(時代遅れのトマホーク500発を5000億円で買うと約束・・など)
森かけ、桜・・・など灰色のまま幕が引かれた疑惑
などなど、という設定です。
結局、真相が明かされることなく、表面上の犯人による単独犯行で事件の幕引きが行われた、というのがオチです。
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数々の功績(スキャンダルも)を残して凶弾に倒れた元首相、こうしてみると真っ黒い疑惑だらけですね。
それなのに、どこか透明な印象。
人は見た目が9割
なぜかそんな言葉が浮かびました・・・