タイ王室が発注して配下の貴族に下賜した布があります。
貴族は宮廷の公式の席に身に纏って出席する事になります。
インドに発注したものがシャム更紗で、日本でもお茶の世界では重宝されています。
同じようにカンボジアに発注し、シルクのクメール絣でタイデザインで製作されたものがあります。別の機会にご紹介します。
今回、ご紹介するのはタイのスラタニ県に発注したものです。スラタニ県にはイスラム系の人も多く、インドネシアの布と共通点があります。金糸が入った錦織の布となります。
多分、一番格式のある布なんだと思います。
デザインはタイ式で、3列の火焔模様が入っており、シャム更紗、クメール絣と同じ構成となっています。手に取ってみるととても薄く細く繊細な金糸が入った錦織です。
時代は19世紀に製作された錦織です。キングラマ5世の時代に発注されたものです。
全て草木染めですが、とても華麗な布です。シルク地の色も場所によって変わっています。
手織りの布なんですが、機械織と思うような正確な布で品格があります。
タイ市場向けでインドで製作された似たような金糸が入った錦織があります。タイのダンサーが踊るときに身に付けた布です。デザインが違うのと、もっと重い作りとなっています。
タイ王室が発注した数の少ない布なのでタイ人にとって垂涎の的なのでタイではなかなか売り買いがありません。
逆に日本では過去にタイで入手された方がいらっしゃるんでしょうね。市場に出て来ることがあります。
同様のタイ王室がスラタニ県に発注した布を過去に紹介した事があります。(2012年12月8日)
こちらは火焔模様が1列なのです。違いは何なのかタイの知人に聞きました。
なかなか情報が集まりませんが、こちらは女性用だそうです。火焔模様が3列に比較すると格式が少し低い場で使われたようです。でも、こちらの布は出来が良くて火焔模様が見事です。裏側にシャム更紗が付いています。実際に使われた布なんでしょうね。
ジョン カベン








