タイ王室がタイのデザインで発注し、配下の貴族に下賜した布があります。タイの公式な場で、貴族はその布を身に纏って出席しました。
インドに発注したのがシャム更紗、属国スラタニ県に発注したのが金糸とシルクのプムリアン錦織、そして今回ご紹介するのはカンボジアに発注したシルクのクメール絣です。
3種類の王室の布をどのように使い分けたのかタイの知人をつかまえて聞いてもなかなか答えに辿り着けていません。
スラタニ県に発注した金糸のプムリアン錦織は数量が少ないので一番格式が高いと思っていますが定かではありません。
カンボジアに発注したシルクのクメール絣は1856年にタイのキングラマ4世がアメリカ合衆国第14代大統領のフランクリン・ピアーズに贈呈し、今でもアメリカ歴史博物館で保管されています。タイにとってはアメリカ大統領に贈る程、貴重な布なんだと思います。これがその有名なカンボジアシルクです。3段の火炎模様が見えます。2対の蛇の精霊ナーガが寺院を囲んでいます。
そして次は私のクメールシルクのコレクションです。本体は沢山の蛇の精霊ナーガを組み合わせた紋様です。ナーガの頭が沢山入っています。
両端は同様に3列の火焔模様となっています。
デザインからキングラマ5世の時代の布と思います。19世紀に製作された布です。
この火焔模様を絣の技術で織れる人は限られた様です。この火焔模様を織る人は決まっていて、本体を織った人と違うようです。
結果として本体と両端の火焔模様では色調が異なります。違った場で染色が行われたと思います。
シルクのヨコ糸での絣です。綾織でたて糸が藍染なので表裏の色調が大きく異なります。
最期の2枚の写真は反対側で明るい色調となっていますが全て草木染めの染色です。
下記は同じ3列の火焔模様ですが、こちらはタイ王室のデザインと異なります。カンボジア向けの構図となります。カンボジアの王室が作らせたんでしょうかね?
ジョン カベン








