バルバス・バウ(球状船首)って、聞いたことありますか?
つい最近、伊豆半島沖でアメリカ海軍のイージス艦フィッツジェラルドの右舷にフィリピン船籍のコンテナ船が衝突し、イージス艦側はアメリカ兵7人が死亡、一時は沈没の危機に瀕した事故がありました
衝突の規模の割に被害が拡大した理由の一つとして球状船首が衝角の役割を果たし、船底付近に大きなダメージを与えた可能性が挙げられていますね・・・
これがバルバス・バウ(球状船首)なんですよ・・・
バルバス・バウ(Bulbous Bow)とは、船の造波抵抗を打ち消すために、喫水線下の船首に設けた球状の突起で、球状船首(きゅうじょうせんしゅ)、船首バルブともいわれれそうです・・・・
これを装備している船には、船体にそのマ-クを記入することになっているそうで、下の写真でも、錨の左下にあるマ-クがそれです・・・ちなみにその左隣にある○に×のマ-クは、バウスラスタ-の位置を表しています・・・
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バルバス・バウ(球状船首)について、少しお勉強してみましょうね・・・(ウィキペディアからの抜粋です)
1911年、アメリカ海軍の造船官であったデヴィッド・ワトソン・テイラー少将が考案、レキシントン級航空母艦に採用されたそうです・・・
その後、独客船ブレーメン、仏客船ノルマンディーなど、主に速度と燃費の良さの両立が要求される大型の外洋船、特に客船主体に普及していったそうです・・・
日本では、1960年に関西汽船のくれない丸が阪神・別府航路に就航後、1961年に当時実験途上であった乾バウのひかえめなプロトタイプが装備され僚船「むらさき丸」との併走実験が行われ、効果が実証されたそうです・・・
- 造波抵抗
- 船首では水面を掻き分けて進む時に波が生じる。この波は引き波と呼ばれ、引き波を生み出すためのエネルギー損失を船が推進する時の抵抗と見做せる。この抵抗が造波抵抗である。これを小さくすることは、航行速度を高め燃費を改善する重要な要素である。
- 原理
- バルバス・バウは水面下で前方に突き出した構造をしている。これによって、水面で船首が波をつくるよりも前方にあらかじめ波を生じる。結果、水面で船首が水を掻き分けて生じる波は、バルバス・バウによって生じた波とは逆位相となり、それぞれの山と谷が打ち消しあうことで波を小さくする。
- 結果として造波抵抗を最小化して燃費の低減や速度の向上を図ることができ、さまざまな船に有効である。
この船のバルバス・バウ白くなっている部分がありますね・・・何でだか判りますか?
バルバス・バウの上には、コンクリ-トのガラが乗っています・・・そうなんですよ・・・
実は、岸壁に衝突した跡なんですねぇ~
鉄筋コンクリ-トの厚い壁も、ひとたまりもありません・・・