梅雨の合間をぬって島原半島の幾つかの棚田を訪ねました。
まずは千々石(ちぢわ)町の「島の棚田」。向こうには橘湾が見え、海岸沿いには千々石海水浴場の松林が並んでいます。
田植えが終わったばかりのようで、水田には水がいっぱいでした。島原半島はジャガイモとの二毛作が盛んで、田植えの時期が遅いとの事でした。左の山は雲仙普賢岳です。
千々石から国道57号線で小浜へ、その後、雲仙グリーンロードなどを通り、南有馬町まで行きました。
千々石から雲仙にぬける道の途中に「岳(がく)の棚田」があります。
千々石川の上流に位置し雲仙岳のふもとの谷あいに広がる農村地帯です。
「日本棚田100選」に選ばれ、雲仙市の文化的景観の保存地域となっています。
雲仙グリーンロードを南下すると、小浜町北木指の陰平と言う所があり、地図のような綺麗な等高線模様が良く分ります。
更に南下すると、展望台があり、橘湾と共に「辺木・小竹木地区の段々畑」を見下ろすことができます。ジャガイモをはじめ多彩な農作物を植え付けているマルチ畑で、「県だんだん畑十選」に選ばれています。その幾重にも重なった模様には息を呑みます。
更に進むと、花房展望台があります。田んぼと畑がパズルのように入り混じっています。向こうには天草灘をはさんで天草列島が見えます。
グリーンロードが終わり、さらに東へ南有馬町方面へ進み「谷水の棚田」に行きました。「日本棚田100選」に選ばれ、また平成16年には皇室に米を献上しています。この面はまだ田植え前でした。
この面は田植えが済んだばかりの様でした。向こうには世界遺産決定直前の原城跡と有明海、天草列島を眼下に見下ろせました。
平地の少ない島原半島では狭い土地の有効利用のため棚田が多く作られましたが、これが環境保全にも役立って来ました。しかし最近では耕作放棄地も多く見られます。
苦労しながら開拓され、維持されて来た棚田ですが、放棄地になると写真のように直ぐに草木が迫って来ており、山に戻ってしまうのでしょうか。