(休日版)「あなた損してます」 | 小さい会社にしかできない労務管理のことを話そう

小さい会社にしかできない労務管理のことを話そう

労働エッセイストの松井一恵です。小さい会社には小さい会社にしかできない労務管理の方法があります。
丸17年社会保険労務士として生きてきて、みんなに知ってほしいこと、未来に残したいことを書き残そうと思います。

その昔、民主党が政権をとって、どんどん円高が進んだ頃、

1ドル=95円で少し米ドルを買っておいた。

1ドル=80円を上から切った頃、雑談で「95円のドル、持ってんねん」と言ったら、

「松井さん、損しましたね

と熱心に「あーせいこーせい」とアドバイスしてくださった方が居た。

1ドル=110円を下から切ったから、売却したんだ」

1ドル=120円をつけた頃にそんな雑談していたら、また、

「松井さん、損しましたね

と言われた。

 

私自身は少しも損してない。95円で買って、110円で売ったのだから、むしろこの件では儲かった。

でも、「損しましたね」と熱心に言ってくれる人がいる。

私は自分の実力を知っている。

円高や円安がどこまですすむか当てるほど賢くはない。

そんなのが分かったら、大金持ちになってます。

ひとつ心がけているのは、「自分で決めて行動する」ということだけ。

95円で買ったら、「110円になったら売ろう」と決めて、そうする。「ひょっとして、120円とか130円とかになるかも」とアドバイスされても、売ると決めたら売る。

こんな簡単なことで、私、投資で本当に損したこと、ほとんどない。(ただ、あまり多額をやらないので、莫大に儲かってないから、たからないようにw)

 

この「損しましたね」というのは、何なのでしょう。

「恐怖をあおって壺を売る」ような人もいるのでしょうが、それとは別に、世の中には他人に「損しましたね」と言わずにはおれない人が一定数生息している。これ、最近の学びであり、確信。

他人のメンタルを落として、自分のメンタルや優位性を維持する。これで不安を解消する。この方法しか、幸せになる方法を知らない。だから、息を吸ったり吐いたりするように「損しましたね」といい、そうして生きていくしかないので、悪気はない。むしろ、言う方は相手のためとさえ思い込んでいる。いじめ嫌がらせやDVも同じような構造で起こるのですが、私たちは別にこんな人達を相手にしなくてもいい。

「そうですねん、損してばっかりで」と適当に返事して、アタマでもかいてればいいです。

 

思い当たるところありませんか?商工会の集まりで、ゴルフ場で、懇親会の席で、「税務署ですか、あぁ、そらひどい目にあいましたな」「そんなことしてたら、社員に訴えられますわ」「そんな社員、置いとくだけ損でっせ」とニコニコしながら、言ってくる人。

あれは、「息を吸ったり、吐いたり」してはるだけだから、あまり深く気に病まないことです。「はい、そうですな」と返事しておいて、得をする方法は「自分で決めて、行動する」・・・でしたよね。

 

究極、あなたの人生、喜びも悲しみもあなただけのものだからね。