「資金力」は選挙戦の行方を大きく左右するKSFの一つである。
ヒラリーVSオバマの天王山として注目されたスーパーチューズデーは、両者ほぼ互角の結果に終わった。
注目すべきは大口献金者を抱えるヒラリー優位との下馬評を覆したオバマの善戦であろう。
2007年には、ヒラリー陣営が労働組合を中心とした大口集票団体から$118Mを集め、組織票をバックにつけたことでほぼ優位性は固いとの見方が定着したようではあった。
一方のオバマ氏は新鋭候補であり、ヒラリーほどの大型の組織票は見込めない環境の中、結果としてインターネットを通じての小口支援者(下は3ドルから!)の集大成として、$100M超を集めた。
彼が意識的にこの戦略をとったのかは未知であるが、少なくともオバマの支援者は大国のロングテール部分である事は判明した。
アメリカほどの超大国ともなると、価値観を持つ少数派(テール部分)分布のマスは全く馬鹿にならない。
数がものを言う選挙戦で、インターネットを使ってこのテール部分の最大公約数に訴えかけることを狙ってやったのだとすれば、全く見事だとしかいいようがない。

