インドには未だ「日本人のものづくり」が出来る環境がない。
日本人のものづくりのできる環境とは、簡単にいえば整備されたインフラである。
現段階では、高速道路こそ整いだし、その証左に世界の流通産業がインドを席巻し始めてはいるが、製造業のFDIはまだまだ少ない。製造業のためのインフラが整えば日本のメーカーはこぞってこの巨大市場に進出していくであろう。そのタイミングをX点としよう。
我が業界に置き換えて云えば、X点は、そのまま進出競争の激化を意味する。参入障壁が低下し、あらゆる同業他社がインドを目指すこととなる。
優位性をどこに探り当てるか。
それには未だ参入企業の少ない「今」への投資で、将来のシェアを買うことだ。中堅どころの同業企業に資本参加し、日本の価値基準を持ち込む事無く、現地の価値基準で収益を追求してもらうのである。当然X点までは、投資先企業への技術移転を進め、日本の技術競争力を武器に現地でのシェアを追求することとなる。
近い将来のX点で、仮に競争が始まったとしても、それまでに築き上げたネットワークをバックに、競争優位を発揮する事が出来る。
もちろん簡単にはいかない。が、なんとなく最近そんなシナリオを描いている。