国公立大学前期入試当日 | 夜の風、あるいは羊の咆哮

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国公立大学前期入試当日。



とうとうこの日がやってきた。



本当にこんな日がやってくるなんて


今でも信じられないけれど、


でも、本当に今日は


前期入試の当日なんだ。



俺の生徒たちは


今頃必死に問題と格闘しているだろう。



あれこれと頭を悩ませながら、


入試問題と格闘しているだろう。



若干18歳で、


人生の岐路に立つ。



どちらの道が幸せかなんて


そんなことは言えないけれど。



願わくば受かって欲しい。



あれだけやったんだもん。



大きな成功を勝ち取って欲しい。



自習室のいつもの席。



彼ら彼女らが毎日座っていた


それぞれのいつもの席。



そこに座ってみた。



彼ら彼女らには


何が見えていたのだろう。


何を見据えていたのだろう。


何を考えながら勉強に打ち込んだんだろう。



この席はあの子。


この席はこの子。



いつもの席に


今日はいない。



ぽっかりと空いた


その空白に、


俺の心は少しとまどってしまう。



今、


俺の生徒たちは


必死に戦っているだろう。



大丈夫。



絶対に受かるから。



一生に一度の


前期入試。



精一杯戦って、


そして、


思いっきり楽しんでおいで。