「港のひかり」を鑑賞しました。
監督は「最後まで行く」「正体」などの藤井道人。撮影は「八甲田山」「駅 STATION」などの名作を手掛けた木村大作が、全編35㎜のフィルムカメラで能登半島の厳しくも美しい景色を映し出している。
過去を捨て小さな漁村に暮らす三浦(舘ひろし)は、漁師として細々と暮らしていた。ある日、白い杖をついて歩く少年の幸太(尾上眞秀)を見かける。弱視を患う幸太を同級生たちはわざと転ばせて笑い者にしていた。幸太は両親を、ヤク中のヤクザ絡みの交通事故で亡くしていた。三浦は幸太を船に乗せ、交流を深めていくなかで、幸太の弱視は手術すれば治ると知る。三浦はかつての組にいる弟分の大塚(ピエール瀧)から、麻薬取引を聞き出し金を奪い、その金を幸太の手術代とした後に自首する。12年後、幸太(眞栄田郷敦)は刑事となり、出所した三浦に会うことを望んでいたが、警察の資料から三浦の正体を知ってしまう。やがて大塚が殺され、三浦はヤクザのもとへ、一人で乗り込んで行く・・・。
少年期の幸太を演じた尾上眞秀(おのえまほろ)は寺島しのぶの息子であり、本作が映画初出演であり、弱視を患った少年を見事に演じ切っていた。他の出演者も錚々たる顔ぶれで、「アウトレイジ」の椎名桔平、ヤクザ映画には欠かせないピエール瀧、チンピラ役が似合いすぎる斎藤工ほか、友情出演として岡田准一まで登場している。
本作品は、「誰かのために生きるとはどういうことか」をテーマに、様々な思いを抱えて生きる者たちの、深く哀しい人間ドラマであり、舘ひろしが、圧倒的な存在感を放っている。