今日は渋谷の谷を登った先のホールで、西本梨江さんのリサイタルを鑑賞しました。
敬愛する「タンゴの革命者」アストル・ピアソラのナンバーを聴き、2018年に公開されたドキュメンタリー映画「ピアソラ 永遠のリベルタンゴ」の演奏シーンがオーバーラップし、西本さんが弾くスタインウェイの隣に、バンドネオンを弾くピアソラの姿が浮かび上がってくるようでした![]()
「怪物」を鑑賞しました。
かなり前からチラシが置かれ、「怪物だ~れだ」の予告が流れていたが、内容については全く明かされていなかったので、ホラーかスリラーか、はたまたサスペンスかミステリー映画か、全く分からないままの鑑賞でした。
諏訪湖を望む、上諏訪の町。シングルマザーの早織(安藤サクラ)は交通事故で夫を亡くし、息子の湊と二人暮らし。
ある朝、湊が学校へ行くのを嫌がっていたが、そのまま学校へ行かせる。
だがその日からシューズを片方無くしたり、水筒のなかに泥が入っていたりするようになった。
湊に問い詰めると、保利先生(永山永太)に暴力を振るわれたと答えた。
驚いた早織は学校へ行き、校長先生(田中裕子)に話をするが、全く的を射ない。
やがて教頭(角田晃広)に連れられ保利が現れるが、話の途中で飴を舐めるなど、早織の怒りは増すばかりだ。
早織が弁護士を立てたため保護者会が開かれ、保利は退職することとなった。
そしてシーンは冒頭に戻り、保利の視点で物語が再び展開されていく。
果たして学校で何があったのか?
湊と友人の依里、二人が起こした行動にはどんな意味があったのか?
そして「怪物」の正体とは・・・!?
前作「ベイビー・ブローカー」は見終わった瞬間に感動で震えたが、この作品は難しい。
早織、保利、湊による視点が3度変わり、自分たちが観ていたストーリーは何だったのか、真実はどこにあるのか?いや、どれも真実でどれもが嘘なのではないか。
複数の主題が存在し、それらの伏線回収が絡み合い、是枝監督と坂元裕二氏の目指した作品の行方を見失いそうになる。
ただただ、田中裕子の演技が「怪物」であることは誰もが認めるところだろう。
「ケイコ 目を澄ませて」を鑑賞しました。
日本アカデミー賞最優秀主演女優賞など、世界各国で数多の賞を受賞した本作品は、実際にプロボクサーとしてリングに立った、聴覚障害を持ちながらも、ひたむきに生きる女性をモデルに、三宅唱監督が新たに生み出した物語です。
生まれつき聴覚障害を持ち、愛想笑いが苦手なケイコ(岸井ゆきの)は、再開発が進む東京・下町の一角にある小さなボクシングジムに通っている。
日々鍛錬を重ねるケイコは、プロボクサーとしてリングに上がっており、デビュー戦に勝ち、2戦目も判定で勝利したが、大きなダメージを受けた。母親から、ボクシングをいつまで続けるのかと問われ、返事に詰まる。ケイコの3戦目が決まるが、私生活での悩みも抱え、練習に身が入らない。
そんなある日、ジムの会長(三浦友和)が体調を崩し、ジム閉鎖の噂が流れる・・・。
本作品は聴覚障害者が鑑賞されることを前提に作られており、台詞は字幕で表示され、主題歌もBGMも無く、日々の暮らしが淡々と描かれている。
16㎜フィルムで撮影された映像には温もりがあり、ボクシングや日常のなかで闘うケイコの姿を、感情の揺れ動きとともに感じることが出来る。
岸井ゆきのさんのコンビネーションパンチに魅了され、三浦友和のいぶし銀のような演技や、いつまでも美しい仙道敦子さんも見逃せない作品です![]()