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夢の彼方に

折に触れて鑑賞している様々なライブやアート、スイーツについて
綴っています。

「碁盤斬り」を鑑賞しました。

身に覚えのない罪をきせられた上に、妻は琵琶湖に身を投げ、失意のうちに故郷の彦根藩を追われた浪人の柳田格之進(草薙剛)は、娘のお絹(清原果耶)とふたり、江戸の貧乏長屋で暮らしていた。清廉潔白を常とする格之進は、趣味の囲碁においても真っすぐな勝負を心掛け、碁会所で大店の主・萬屋源兵衛(國村準)と知り合い、意気投合し、度々手合わせをする仲となる。十五夜の夜、源兵衛宅に招待され碁を打つ中で、源兵衛が受け取った筈の50両が紛失し、盗みを疑われる。そんな中、旧知の藩士から、かつての事件の真相を聞かされた格之進は、妻を死に追いやった柴田兵庫(斎藤工)への復讐を決意する。だが、50両を用立てるためにお絹を吉原へ出し、大みそかまでに返さなければ客を取らせるという約束をしてしまう・・・。

 

古典落語「柳田格之進」を原案に脚本が書かれ、前半は実直な浪人・柳田格之進と源兵衛の囲碁の対局シーンと江戸の風情を映し出し、ほのぼのとした雰囲気に包まれているが、50両が紛失し、柴田兵庫の行方が知れる後半は一気に緊迫感が増し、草薙剛の立ち居振る舞いや目の輝きも凄みを帯びてくる。ただ全編に亘り碁盤上の石の動きが描かれ、全く囲碁を理解しない自分には残念に思われた。評論家は皆「この映画は囲碁を知らずとも楽しめます」と言っているが、そのようなことは全くない。囲碁を嗜む人が観れば、より一層本作品の魅力を感じることだろう。

凛とした清原果耶と、酸いも甘いも知り尽くした遊郭の女将役が嵌りに嵌った小泉今日子の対比も見所です。

 

 

 

今夜は高田文夫プロデュース・第六回オール日芸寄席~おっと天下の日大事ビックリマーク~を鑑賞しました。

世間を騒がし続けている日大出身者であり、高田先生引率による立川志らく・春風亭一之輔・三遊亭白鳥に、「優しすぎる傍若無人な天才」太田光を交えて、絶対にライブ配信はおろか、録画配信も出来ない業界裏話が満載で、今年最大の大爆笑ライブとなりました🤣

 

 

 

待ちに待った「アイアンクロー」を鑑賞しました。

これほど悲劇的な家族があるのかと当時も思っていたが、映画作品として改めて時系列に事実を突きつけられると、余りの辛さにスクリーンを直視できなくなる。

 

1960年から70年代に掛けて、フリッツ・フォン・エリックは「鉄の爪」アイアンクローを必殺技として全米に亘り大活躍したプロレスラーだったが、当時の最高峰のタイトルであるNWA世界ヘビー級チャンピオンになることが出来なかった。彼には幼くして亡くなった長男を含め6人の息子がおり、その夢を果たすために、次男以下、次々とレスラーとしてデビューするようになった。次男のケビンと三男のデビッドが地元のテキサス州ダラスで人気を博していた頃、四男のケリーは円盤投げの選手としてオリンピックに出場が決まっていたが、アメリカがモスクワオリンピックをボイコットしたため実家へ戻り、レスラーとなる。そして1984年、デビッドは次期NWA世界チャンピオン候補とされるなかに来日するが、2月10日、急性腸炎のために死亡した。だが同年5月のデビッド追悼興行に於いて、ケリーがリック・フレアーを破りNWA世界チャンピオンのタイトルを獲得して、家族の夢を叶える。しかし2年後、オートバイ事故を起こし右足を切断する重傷を負う。義足を付けてカムバックするが傷の痛みを抑えるために薬物を服用するようになっていた。翌1987年には、5男のマイクが精神安定剤の過剰摂取となり服毒自殺を遂げる。そして1991年には体格的に劣っていたためステロイド剤を使用していた六男のクリスがピストル自殺で死去。更に悲劇は続き、1993年、コカイン中毒となっていたケリーが、ピストルにより自らの命を絶った・・・。

 

出演者たちの鍛え上げられた肉体は見事であり、対戦相手として登場するブルーザー・ブロディ、リック・フレアー、ハーリー・レイス等も本人の特徴を巧みに捉えていた。プロレスを余りご存じない方には難しい表現になるが、ハーリー・レイスは本物のプロのプロレスラーであった。相手の攻撃を受けながら、試合の流れを自分に引き寄せ勝利するのが「美獣」ハンサム・ハーリー・レイスのスタイルだった。

1070年から80年代の半ばまで私の生活はプロレスを中心に回っており、デビッドの急死は大変なショックであった。会見するジョー樋口の焦燥し切った姿を今でも鮮明に覚えている。デビッドが亡くなった後、ケビンは息子のために苗字を変えていた。「呪われた家族」という言葉は、デビッドが死亡する前からケビンの頭にあったことがこの作品で初めて知った。

1997年の9月にはフリッツ自身も癌で死去。2009年、世界最大のプロレス団体WWEは、フォン・エリック・ファミリーの功績を称え、親子6人をWWE殿堂へ迎え入れ、セレモニーには唯一人残った、ケビンが出席した。