冬場の強い偏西風の季節が終わると、
僕等の仕事もひと段落します
といってもすぐに次はGWが控えていますが…
今年の冬の最高記録
さて質問です
１．この写真の何が今年の最高記録でしょう？
２．この飛行機はどこへ向かっているのでしょう？
簡単すぎるか
そうそう、
それともうひとつ
今年の冬にとても頭にくる事があったので、
匿名のブログをいいことにここで書いちゃいます
Sakiは普段はあまり感情を出さず、
どちらかといえば温厚なタイプなのですが、
そんな僕でも怒ってしまう事案がありました。
某空港での出来事
あえてどこの空港かは書きませんが、
写真見たらわかるけどね
そこはとても忙しく各国からの便が到着・出発する空港
どの会社のPロットも、
安全を確保しつつできる限り
定刻通りの到着/出発が出来るように努力します。
この日の僕等も、
最善の努力を傾注して
急いで燃料を補給し
お客さんの搭乗を開始し、
貨物も遅れなく搭載し、
定刻での出発を予期していました
燃料・お客さん・貨物・必要書類・管制承認
全てが揃ったので
ドアを閉め
ボーディングブリッジが安全に機体から離れたのを確認して
いざ出発！
とプッシュバック（飛行機を後方へ押す）許可を
管制塔へ取ろうとしたその矢先、
相方Ｐロットが無線のスイッチを押す
僅か数秒前に、
我々の右側に駐機していた某カンボジアのエアラインが
”Request Push (back） ＆ Start（engine）”
とタッチの差で先に出発許可を取ってしまいました。
僕等もすぐにRequestしましたが、
管制の優先順位は先にRequestした順番が基本なので、
管制官からは当然
”隣の機が先にプッシュバックするので５分待機せよ”
との指示
さらにその機の右側に駐機していた別のエアライン機も
続いてRequestしましたが、
当然ながら待機の指示
相方Pロットと、
タッチの差で仕方ないねー
と話しながら右を見ると、
なんとその飛行機
燃料補給こそ終わっているものの、
ボーディングブリッジは付いたまま（当然ドアも開いたまま）、
機内はまだお客さんが歩いている。
貨物ローダーがまだ貨物の積み込み中（貨物ドアも開いたまま）、
機体の周りにはまだ地上の人達が作業中、
安全コーンも全て置いたまま
当然車輪の輪留めも付いたまま
とてもプッシュバックできる状態とは思えません
証拠写真
誰が見てもまだ出発できる状態ではないのに、
管制塔から直接見えない場所なのをいいことに
慣習的にそうやっているのか、
はたまた隣の僕らが先に出るのをよしとしないのか、
何なのかはわかりませんが、
あまりにもこれは悪質
明らかに周囲の航空機の出発を妨害しています
普段は温厚な僕もさすがに怒り、
無線担当の相方Pロットに、
”我々は完全に出発準備ができている。
隣の機は出発準備ができていないように見える。
先にプッシュバックさせてほしい”
と管制に伝えてもらいました。
すると管制から隣の機に対して
”あと何分でプッシュバックできますか？”
との問いが、
しばらくの沈黙の後、
即答せい
”あと１分でプッシュバック可能”
でもどう見ても明らかにまだ１０分以上はかかる
なんと往生際の悪い
そこで相方Pロット、
”隣の当該機は貨物積み込み中でボーディングブリッジもまだ接続したまま。
とても１分で出発できるようには見受けられない。
再度確認されたし。”
と半ば怒りの口調で管制に要求
管制はついに隣の機に対して
”プッシュバック許可を取り消します。準備ができてから許可を取るように”
そして我々には
”プッシュバック許可します”
との指示
敢えてどこのカンボジアの会社かは書きません
写真見たらわかるけどね
新興会社なのか何なのか知りませんが、
我々Pロットや管制官はお互いが
信頼し合い・補完し合って
飛行機を安全に運航させなければならないのに、
自分たちの利益のためだけに
それらを簡単に損なったり妨害する行為は本当に止めてもらいたい
エアマンシップをちゃんと学べ
新興だから質の良いPロットが集まらないことは理解します
しかし
モラルと人の質を落として便数を確保するような会社に
安全な運航などできるはずもありません
少し感情的な書き方をしてしまいましたが、
Sakiもたまには怒ることあります
すみません
でもこの後はつつがなく出発し、
無事シンガポールまで到着しましたよ
↑停止位置も完璧でした
ムフフ
さて来月から
元号が変わりますね
新しい時代はどんなことが起こるのでしょうか
楽しみです
