私が中学生の頃、母がプレゼントしてくれたのが、この小説「戦士たち」と短波ラジオでした(笑)
多感な青年期、世界観を確立するのに大きな影響を与えた作品です。
作品は朝鮮戦争の後半期、戦線が膠着し高地での戦闘が繰り広げられていた1951年~52年を時代背景にしています。
タイトルで判るように、ある一人の突出した英雄ではなく、有名無名の多くの戦士たちの愛と憎しみ、生と死、喜びと悲しみが哲学的に描写されてます。
先日ブログを書くため 石潤其「戦士たち」 でインターネット検索をかけるとビックリしました。
幾つかの古本屋で販売しているんですね~
興味のある方は是非ご購入くださいw
ここではクライマックスの一部を抜粋して紹介しましょう。
主人公 デウの中隊に ある日命令が下ります。
それは小隊長であるソンホを戦線から召喚しソ連へ留学に送るという命令でした。
ソ連で製鉄技術を学びアメリカによって廃墟と化した祖国を復興させるためです。
では ご一読ください
…
…
それは想像だにできない命令であった。
兵士たちは気の抜けた人のように改めてお互いの顔をみまわした。
険しい崖。
かつてはここにも樹木が茂り、色とりどりの花が咲き乱れ動物たちや小鳥たちが
ねぐらを作って歌をうたっていたであろう祖国の小さな山!
…木などは一本もなかった。
燃え残りの根っこが黒い炭となっていまだにくすぶっており、岩石はめちゃめちゃに砕かれ
灰と土ぼこりが大気を濁していた。…
何回とひっくり返された塹壕には黒いシミがいたるところに点々と点けられ、そこから
血なまぐさい臭いが発散している…
ありとあらゆる戦闘の残骸が転がっている
生命のあるものと言えば不死鳥のような兵士たちだけであった…
…
かれらの前にはまだ最強を自称する敵が存在し、力にあまる戦闘が待っているのだ。
それなのに彼らの小隊長は何をしに、どこへゆくと言うのだ?
…
いつしか硝煙にくすんだ兵士たちの両のほほに涙が伝わっていた。
彼らは泣いていた。
親の死の知らせを受けたときにも涙を見せなかった彼らが、慟哭し、掘り返され
痛めつけられた祖国の土を抱いて泣いた。
…
かつてこれほど残酷な試練を経た人民がどこにあり、これほどの困難に直面して
こんなにも美しい夢を持った人民がどこにあったろうか?
兵士たちは自分たちの力の強さを改めて感じながら、世界の全ての人々が自分たちに脱帽し
尊敬の念を抱くようになるだろうという自負心を持って、偉大な祖国の輝かしい明日をありありと
眼前に描きながら男泣きに泣いていた。
男の涙、男の怒り、男の愛…
涙はとめどなく流れたが、かれらの胸には激しい炎が燃え上がっていた。
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