しなやか系の筋トレ | 動きの哲学、日常のヒント

動きの哲学、日常のヒント

ピラティス、ストレッチ、ヨーガ、武道などの学びと想い。ピラティスの還暦男インストラクターが20年考えたこと

筋トレでは、ピラティスとは違い、いわゆる「グローバルマッスル(大筋群)」を鍛えるものとされています。むきっとした胸板をなす「大胸筋」やシックスパックといった「腹筋」を作るイメージがありますよね。

筋力増強や、スポーツの能力向上や健康もさることながら、「筋肥大」が大きな目的になってます。

 

ピラティスは、よく知られるように「コア」(腹部など体幹部を中心とした深層筋)を鍛えるもので、「体の機能を向上」させます。しかしながら、中間的な筋トレももちろん可能です。

 

筋肉を大きくするのではなく、機能向上となるようにしなやかな筋肉をつくる筋トレですね。具体的には、「ムキムキ」ではなく、「しなやか」を求める場合、運動不測の解消、冷え性改善、肩や腰のコリを改善したい場合の筋トレは、「ストレッチ」をしながらの筋トレを心掛けてみるといいです。

 

それは、関節可動域を十分に使って筋トレを行うやり方です。

 

それ自体は、筋トレの本でもよく書いてあるとは思いますが、その趣旨は、「筋収縮」の幅を大きくして、筋肉肥大の効果を高めるという意味合いが大きいと思います。

 

しかし、それだけではなく、可動域を大きく使うことによって、「動きが丁寧」になり、それがいくつかの効果につながることになります。

動きが丁寧になると、呼吸を止めてしまう、という危険(血圧の急上昇の危険があります)を事前に防ぐことができます。

また、丁寧な動きにより、関節の急激な動きが原因での関節の痛みを予防できます。

また、負荷をかけた状態で「雑」な動きは、偏った筋肉の使い方(左右のゆがみや、重心の偏った状態での力み(りきみ)によって筋肉の炎症、筋肉を傷めることにつながる)をもたらします。

丁寧な動きは、そうした偏った筋肉の使い方を修正して整えます。

 

ピラティスは、基本的に多人数クラスでのエクササイズですと、ヨガマットをしいた上での自重(自分の体重の負荷を使う)を使った「エクササイズ」になります(個人指導ですと、「リフォーマー」等といった機械でのトレーニングもありますが)。

 

ダンベルなどの道具を使った方が、「運動した気がする」という人もいます。そうしたモチベーションは大事ですので、筋トレもやりようによっては、いい運動になります。

筋トレから始めて、「丁寧」な動きによる体への「心地のよい負荷」が感じられてきたら、ピラティスにシフトしていき、コアトレーニングに力を集中してやってみるという進め方も大変いいのかな、と思っています。

 

30歳を過ぎると、何もやらなければ、どんどん体は老化し、筋肉は1%ずつ着実に減少していくといわれています。しかし、筋力トレーニングからでもピラティスでも「継続」を念頭に、まずは出来ることから始めて行くことが大事です。

 

しなやかさや強さは、一朝一夕には手に入らず、継続により得られるもの。でもそれと同時に、思い立った時なら何時からでも始められるものなんですね。