【お話の形式】を突き抜けて | ほんとうのピコットさん

ほんとうのピコットさん

子どもの本屋「夢文庫ピコット」店主です。
タイトル「ほんとうのピコットさん」については、
http://ameblo.jp/pikot/archive1-200711.html をどうぞ!

こちらの絵本、

登場する面々が予想外なら
ストーリーも自由奔放です。
自由すぎてその展開にびっくりしますが
小さい子どもの行動を丸ごと転写したような
予測不能なお話の広がりは、
樋勝さんの作品の魅力の一つですね。

 



チキカングー

樋勝朋巳/こぐま社/本体¥950.

 

 

この様な作風は
絵本に秩序や教訓を求める人には
謎だらけ、かもしれません。

でも
小さなお客様たちは楽しんでくれていて
保育園の先生方にも人気です。

絵本の魅力というのは

分析するものでもありませんけれど、
聞き手の子どもたちが共感できる 
活力や可笑しみや楽しさを持っていて、
読んでみて子どもたちからの手応えがあれば、
それは間違い無く子どものための絵本。グッ

その意味で、チキカングーは、
子どもに選ばれる絵本だと思っています。

その チキカングーに姉妹編が出ました。
前編でチキカンチキカンと行列する最後尾の
おいもちゃんが主人公です。

 

 

下差し     

 

 

 

チキカングー

樋勝朋巳/こぐま社/本体¥1000.



前編にも増して

絵本的お作法など突き抜けた構成です。


おいもちゃんが靴下を脱いで海に入りますが
そもそも、なぜ靴下を履いているのか
なぜ海に行ったのか
サツマイモは浮くのか

・・・と、思いっきり無秩序で本当に愉快です。

カバーの表紙には、
イエーイ おまたせー やっほー!!
と書かれたシールが貼ってあります。
ほんとうだゎ!

このシリーズの仲間にはどんな関係があるのか
とりわけ、

哺乳類と芋類がどうして親しくなったのか
なぜメルちゃんは

かつらみたいな帽子をかぶっているのか

等々等々・・・
このお話世界は謎だらけのまま
どんどん拡張していきます。
2作目が出たところなのに、
すでに3作目を期待しています。

 

 

 

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