なにか一冊絵本を買おうと思ったら、
普通は物語系になりがちです。
なので、昔話や知識の絵本は分が悪い。
でも、ピコットでは、知識の本は健闘しています。
専門店にお越しになるお客様は、絵本にお詳しいので、
おすすめすると知識系も楽しんで下さるのです。
少し前にテレビで、
植物の絵本の作家さんである甲斐伸枝さんが紹介されて、
一般のお客様からもたくさんのお問い合わせをいただきました。
わたしたちは甲斐さんのことをずっと前から知っていましたよ!
大好きな作家さんですよ!
と、思ったものの、
放映でブレイクするということは、
よく考えてみれば、その甲斐さんの作品の素晴らしさを、
児童書を扱うわたしたちは力不足で十分伝えられていなかった、
ということに、・・・残念ながら、なりますね~。
もっとしっかり発信しなくてはイカン という訳で、
ホームページの5月の特集は “たねの絵本”を取り上げたのですが、
種がテーマの絵本って、意外にたくさんあります。
☆ “たねの絵本”特集 ・・・→
でも、わたしが保育園で働いていた30年前は、
いわば知識の絵本の黎明期で、
たねとか まめとかをテーマに絵本を作るなど、斬新な企画でした。
今回特集に選んだ三冊のうちの、
まめ
は、その頃手にして、知識の絵本への興味のきっかけとなった作品です。
まめ
平山和子/福音館/本体¥900.
恐竜でも昆虫でもなく、
たったの豆一個で、
子どもたちの心を掴むことなんて、できるの・・・?
ところが、一粒の豆が芽を出して、成長し、
やがてたくさんの実を付けるまでが、
美しく力強く、ドラマチックに描かれていて、
豆って、すごい!
と、クラスの子ども達は感激し、
わたしも、絵本にこんな表現があるのかと、心を揺さぶられたのでした。
この絵本の最後のページに、
あなたのいえに まめがありますか。
すこしもらって まいてごらんなさい。
という言葉があって、
ああ、それであの時豆を育てたんだった・・・と思い出しました。
絵本を読んだ後、
給食室で豆をもらって、プランターに子ども達と蒔いたところ、
大した世話もしないのに、絵本の通りに豆が実り、
おやつの時間、みんなに2鞘ほどの枝豆が行き渡ったのでした。
甲斐さんの雑草の絵本から、あらぬ方へお話がそれましたが、
今こうして思い返してみると、
わたしが知識の絵本に興味を持つことができたのは、
新鮮な切り口の絵本がタイムリーに出版されたことと、
それを子どもたちと一緒に楽しむことができたことの、
ふたつの幸運があったからだと思います。
この幸運が、
小さい読者みんなにも舞い降りますように~♪
(いやいや、子どもの本屋が舞い降りるんだよ!)
オマケ画像です。
これもタネ。
大麦の穂です。
お米の土屋さからいただきました。