「だから! 10年くらい前に高野で音楽配信のアプリ開発してて。その発案者である兄ちゃんを伯父さんも母も、いや会社の上層部もその腕を買ってて。その時も高野で正式に仕事せえへんかって!」
天音の言葉にまた妙な間。
「・・え? あんたたち。 高野の人なの?」
その疑問にようやく天音はハッとして箸を置いてしまった。
「真緒さんから。聞いてないんですか・・」
今度は天音が呆然とした。
南はまた黙った後、いきなり立ち上がって
「真太郎! ちょっと! 真太郎!!」
慌てて彼を呼びに行ってしまった。
「いや。ナイショとかではなくてですね。おれだって知ったのこの前の正月に帰った時なんですから! 兄ちゃんも父ちゃんもおれに全然言ってくれないから。おれひとりで高野から調律の仕事貰っておれも認められてんやなーって満足しちゃって。アホみたいやないですか。それで兄ちゃんとケンカしてーー。まあいろいろありましたけど。この前のパーティーに父ちゃんも来て。久しぶりに母や伯父さんに会ったみたいやし。めっちゃめでたしですから、」
天音は一気に自分たちと高野の関係、そして北都会長夫人のゆかりと母有希子の関係を説明をした。
目の前の南と真太郎は呆気にとられていた。
「とっくに真緒さんから聞いてると思ったし、でもなんか。 おれから社長ご夫妻に言うことでもないし・・それに・・」
少し迷って天音が
「兄ちゃん、真緒さんに知られたくなさそうだったんで。」
「真緒に・・?」
真太郎は少し体を起こした。
「別に言われたわけじゃないですけど。なんかそんな気がして。てか真緒さんのが実は知ってたっていうオチなんですけど。」
「真緒も、知ってた???」
真太郎は驚いた。
「ちょっと話変わってくるよね・・」
南は腕組みをした。
「は?」
南は真太郎を視線を合わせたあと
「・・あんた口軽そうやから。それは言われへん。」
ときっぱり言われた。
「はあ???」
「しっかし。お義母さんと天音くんたちのお母さんがね・・」
「確かに。高野楽器とウチは関係性もあるし。ないとは言えないよな。 でもそんな昔に知り合っていたとはね、」
色んな謎が明らかになり
南も真太郎も神妙に頷いた。
「・・もう食べていいですか?」
そんな中
天音はそーっと伺うように二人に尋ねた。
ようやく南と真太郎も高野家と野々村家の関係を知ります・・
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