Regulus(4) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

リアクションのない真緒に紗枝は怪訝そうに

 

「どしたの?」

 

と顔を覗き込むと

 

「う・・」

 

真緒はぽろぽろと涙をこぼしてしまった。

 

「・・真緒さん、」

 

「う、嬉しくて。 自分が発注したものが。こんなにピッタリ・・。 自分が想像してたとおりになって。」

 

紗枝は優しく彼女の肩を抱いて

 

「だから。自信もっていいって言ったでしょ?あなたは自分には何もないって思ってたかもしれないけど。こういうセンスは絶対的にある。」

 

励ますように手に力を入れた。

 

「あ、ありがとうございます・・」

 

嬉しそうに涙を拭いた。

 

 

 

父が浜松に行くのは秋。

 

それまでの夏野菜は二人できちんと収穫することになり役所との二足の草鞋はそのまま初音は仕事を黙々と続けた。

 

 

父にもこれからのことは相談しなかったし向こうも聞いてこない。

 

いつもと同じだった。

 

 

 

 

「ただいま戻りましたー」

 

天音が夜10時を回って帰宅した。

 

「遅かったね。仕事?」

 

「ハア。ちょっと今日学校も行ったし色々大変で。」

 

仕事と学校の両立もなかなか大変そうだった。

 

南は彼に食事を運んできた。

 

「あ、すんません。」

 

そして

 

「ねえ。お父さん。浜松のピアノ工場でまた仕事することになったんやって?」

 

彼の前に座った。

 

「え?なんで知ってるんですか、」

 

いきなりの話題に不思議そうな顔をした。

 

「うん、ちょっと聞いたから・・。」

 

「一昨日くらいかな。兄から電話あって。畑を親戚に任せることも。ちょっとびっくりしましたけどー、」

 

おなかがペコペコでとにかく早く食べたかった。

 

「お兄さん、最近変わったこととか・・」

 

「や、特に何も。」

 

本当に早く食べたい。

 

いただきますのジェスチャーをしたあと、味噌汁をまず飲んだ。

 

「あんなにデキる人なのにさ。どこからもスカウト、来ないもんかねえ・・」

 

まだぴったりとくっついて話をしてくる南に

 

「・・さあ、」

 

もうモリモリとご飯を食べていた。

 

「まあ。高野でもずいぶん引き留められたようですよ。きっと今も母が誘ってんじゃないですか?」

 

と言った時。

 

ややしつこかった南のしゃべくりが止まった。

 

「・・高野・・?」

 

南はやや呆然としていた。

 

「いろんな気を使うから。あのまま高野で仕事してりゃよかったんですよ、」

 

天音はその空気が読めずにどんどんご飯を食べていた。

 

「・・唐揚げ、うまっ!!」

 

すると南が天音の腕をガシっと掴んで

 

「・・どういうこと?」

 

食事をストップさせてしまった。

 

「は??」

 

もう

 

とにかく早く食べたい!

 

天音はそれで頭がいっぱいだった。

 

 

天音はお腹が空きすぎのあまりなんだかよくわからないうちに・・

 

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