Spica(1) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

【これまでのお話】

初音と天音が高野楽器の副社長の息子、と知った真緒。高野のパーティーに天音と天音の父、そして真緒と母ゆかりも招待者としてやってきます。鉢合わせた面々でしたがどうやら副社長の有希子と真緒の母、ゆかりは知り合いということが判明し、何が何だかわからぬままの真緒と天音でしたが・・

 

ここからの続きです→Arcturus(20)

 

 

 

 

 

 

「ん・・」

 

真緒はカーテンから漏れてくる朝の光で何となく目が覚めた。

 

寝ぼけた頭でぼーっと目を開けると、一瞬

 

え・・

 

どこ・・?

 

自分の部屋ではないことがぼんやりと理解し、見覚えのない天井やカーテンを目をこすって凝視してしまった。

 

そこで

 

あ・・

 

そっか。

 

昨日・・

 

 

夕べのことをゆっくりと思い出していた。

 

 

隣のベッドを見やると

 

『女優』じゃなくなったいつもの母が気持ちよさそうに寝息を立てている。

 

だんだんと目が覚めて天井を再び見て

 

 

はーーー

 

参ったなあ、もう・・

 

 

昨日は色んなことがありすぎた濃すぎる一日だった。

 

もともとそんなに頭も良くなくて処理能力もたいしたことないのに勘弁してほしい・・

 

はあっと息を吐いて顔を両手で覆った。

 

しっかし

 

再び何の罪もない顔で眠りこける母を見た。

 

 

・・この人に見事にやられた。

 

元演技派女優だったことなんか我々子供たちに一切感じさせなかったのに。

 

まったく。

 

女優ですよ・・

 

 

はあっとまたため息をついた。

 

 

身支度をして出ていくと、

 

「あ、おはようございます。」

 

天音と会った。

 

「おはよ。これから学校?」

 

「ハイ。もうギリギリ。昨日いろいろあってなかなか寝れなくて。じゃ、」

 

慌てて出て行った。

 

そうだよね。

 

このあたしも寝付けなかったもん・・

 

 

リビングにそおっと入ってゆくと

 

「おはようございます、」

 

既に食卓に着いていた高野有希子が爽やかな笑顔を向けた。

 

「お・・はようございます。すみません、図々しく泊めていただくことになってしまって。」

 

真緒は身を縮めるようにぺこんとお辞儀をした。

 

「いいのよ。夕べはゆかりさんと懐かしい話がたくさんできて。私も楽しかったわ。真緒さんも天音もそうとうびっくりしてらしたけど・・」

 

おかしそうにクスクスと笑った。

 

「ハア、」

 

びっくりどころの騒ぎじゃなかったですよ。

 

ホントにもう・・

 

笑顔が引きつってしまった。

 

「天音は学校があるからって朝食も食べずに出かけてしまったの。真緒さんは召し上がるでしょう?ゆかりさんは?」

 

「・・あ、起こしてきます、」

 

「ああいいのよ。お疲れでしょうから。まだお休みさせてあげましょう。さ、真緒さんはお座りになって。今朝食を運ばせますから、」

 

「え、あ。・・ハイ、」

 

まだまだ聞きたいことはたくさんあった。

 

だけど

 

ありすぎてどこから何を言っていいのかがわからない。

 

 

さて。例の高野のパーティーの翌朝。真緒と母ゆかりは高野有希子宅になぜか泊っております・・

 

 

にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ
にほんブログ村

 



恋愛小説ランキング

 

↑↑↑↑↑

読んでいただいてありがとうございました。よろしかったらポチお願いします!

 

 

 

 

 

  で過去のお話を再掲しております。こちらもよろしくお願いします。