Arcturus(18) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

何とも拍子抜けしたが

 

「・・いや!『ナイショ!』じゃなくて! 高野副社長とどういう関係??」

 

真緒はさらに母を問い詰めた。

 

「どういう関係って。まあ・・むかしむかし・・」

 

「むかし?」

 

「・・知り合いだったんですか?」

 

天音がやや遠慮がちに聞くと

 

「まあ。その辺のことはお母さんに聞いて。ね、早く中に入りましょうよ、」

 

ゆかりは真緒の腕を掴んで足早に引っ張って行ってしまった。

 

 

それをぼーっと見ていた天音はまたもハッとして

 

「お母さん・・?」

 

ゆかりが言い放った一言を思い出す。

 

「え?」

 

思わず父を見た。

 

父は無表情のまま首を振るだけだった。

 

「え?なんで??」

 

 

 

「一ノ瀬さん、お久しぶりです。びっくりです。全くお変わりなくお奇麗で、」

 

「まあ。お世辞ばっかり。もうおばあちゃんですもの。」

 

「いよいよ復帰ですか。映画ですか?舞台?」

 

「ないない。ないわよ~。今日は高野さんのお祝いに来ただけ、」

 

パーティー会場に入っても一ノ瀬ゆかりは注目の的だった。

 

「あ。マネージャーさん。新栄堂の牧野、と申します。一ノ瀬さんが復帰されるのならぜひ私共にお声がけを、」

 

真緒は名刺をいきなり渡されて

 

だから!マネージャーじゃないっての!

 

心でブチ切れたが

 

「ああ、ああ。はいはい。」

 

もう面倒くさくなって何枚もこうして名刺をもらっていた。

 

はああ。もうすでに疲れた・・

 

と壁に寄りかかってぐったりしていると、さっきの場面が彼女の脳内で勢いよく巻き戻った。

 

 

『お母さんに聞いて』

 

 

え・・?

 

ちょっと待って。

 

 

思わずしゃきっとした。

 

 

お母さん・・

 

天音くんが副社長の息子って・・

 

知ってたの??

 

確かにさっき言ったよね?

 

 

また頭が混乱してきた。

 

思わず頭を掻きむしりたくなった。

 

 

ゆかりは美味しそうにワインを飲んだり食事を摂ったりしている。

 

呑気に。

 

 

え?

 

なんなん?

 

あの人・・

 

怖いんですけど!!!

 

 

真緒はそっと会場を抜け出した。

 

 

「あ、お父さん?? ちょっと聞いてよ!」

 

思わず家にいる父に電話をしてしまった。

 

「お母さん、高野副社長と知り合いなの? なんか劇的再会みたいな感じになってたんだけど!」

 

慌てる真緒とは対照的に

 

「まあ。昔、な。」

 

父は落ち着いて母と同じような答えをした。

 

「昔って・・。」

 

「話すと長くなる。パーティーにただ行くだけじゃなくて。きちんと関係者に挨拶をして。ゆかりは何もできないだろうから、おまえがしっかりしないと。」

 

「え? あー・・まあ。」

 

そして電話は切られた。

 

高野楽器のパーティーで真緒と天音はわけのわからないことにパニくります・・

 

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