Polarstar(16) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

元夫の祐介のことを思い出した。

 

彼も本当に完璧な人だった。

 

はたから見ると不足なんか何一つなさそうな人だったけれど

 

長い間ずっと悩んでいたんだろう。

 

 

 

真緒はぼーっとしながらそんなことを考えていた。

 

そこに初音が氷嚢を持って戻ってきた。

 

「これで。冷やすと少し楽になります、」

 

と、真緒の足首に充てた。

 

「あ、ありがとうございます。」

 

その冷たさで我に返った。

 

 

「明日。ぼくも一緒に東京に一度行って。お送りします、」

 

そこに手を当てながら初音が言った。

 

「え、いいですよ。なんとか大丈夫です。荷物は送っちゃうから、」

 

「いえ。ぼくのせいですから。」

 

「別に初音さんのせいじゃないです。あたしがおっちょこちょいなだけで。」

 

「・・ちょっと真緒さんに言われたことに腹を立てていたことは確かだったので・・」

 

「えっと・・」

 

正直もういきさつさえ忘れかけていた。

 

「真緒さんが北都の娘だから・・なんて。そんな風に思われてたことがすごく悔しかったからだと思うんです。そんなことで機嫌を悪くするなんて。ホント子供じみてて。 ・・あなたには。そんな風に思われたくなかったって、」

 

ドキっとした。

 

・・それって・・

 

違うドキドキが追いかけてきた。

 

初音はずっと真緒の足に氷嚢を当ててうつむいていた。

 

「・・え、と・・」

 

真緒が勇気を振り絞って深掘りしようとしたとき

 

部屋がノックされた。

 

「え?あ?」

 

慌てる真緒を制して初音がドアを開けると

 

「替えの氷をお持ちしました。冷凍庫に入れておいてください、」

 

スタッフがわざわざ氷を持ってきてくれた。

 

「ありがとうございます、」

 

初音が受け取ってそれを冷凍庫に入れた。

 

またも妙な間。

 

「あ・・初音さんゴハン途中でしょ。食べてください。大丈夫だから・・」

 

テーブルにはまだ初音の食事がそのままになっていた。

 

「・・はい、」

 

またも空気がバッサリいってしまって。

 

 

・・いや。

 

タイミング!!

 

 

真緒は心で思いっきりつっこんだ。

 

 

思ったより夜中に患部が痛んであまり眠れなかった。

 

さすがに部屋でも夜は寒いのに足だけが熱くて。

 

自分で氷嚢を取り換えに起きたりした。

 

その時スマホがふっと光を放った。

 

 

『痛みますか』

 

 

午前1時。

 

彼からだった。

 

 

なんか。

 

もっとそばにいてほしい。

 

 

もう10代か?と自分で思うくらいのキュンキュンが止まらない。

 

でも。

 

34歳だし。

 

はあっとため息をついた。

 

 

『薬を飲んだので大丈夫です』

 

 

と返事を返した。

 

 

すると。

 

 

『こんな夜中に大変申し訳ないのですが、そちらに行ってもいいですか』

 

の返事が!

 

え!

 

なにこれ!

 

ちょっと待って!

 

思わず着ていた部屋着の上にパーカーを羽織った。

 

 

かみ合わない会話にややモヤる真緒ですが夜中に彼が部屋に・・?

 

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