Departure(14) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

ひなたはそれから1週間、奏に会うこともできず

 

スカイプで会話するだけ。

 

そうこうしているうちに出発まであと3日になってしまった。

 

 

「カナ!」

 

ひなたが元気に手を振った。

 

奏は少し恥ずかしそうに手をちょっとだけ挙げた。

 

「カナ~~!」

 

じゃれるようにまとわりつく彼女に

 

「もー、恥ずかしいから・・」

 

奏は周りをキョロキョロしてしまった。

 

「今病院から帰ってきたの。 明日から学校行ってもいいって!」

 

「良かったね。」

 

「っていうか。 こんなところで待ち合わせでよかったの・・?」

 

「もちろん、」

 

奏は笑った。

 

いつでも人でいっぱいの

 

浅草寺の門の前だった。

 

「カナが・・行きたいとこって・・」

 

「浅草。」

 

そしてひなたの手を取った。

 

 

「毎日、通ってるトコなのに・・」

 

ひなたは少し不満そうだった。

 

「おれは少し懐かしい。 少しだったけど・・学校の帰りにみんなでしゃべりながら帰ったり・・」

 

ここにいた頃の奏は。

 

まだまだ普通の中学生で。

 

 

「ここ曲がったところ。 すーやん家のもんじゃ屋さんだよね、」

 

奏が路地を指さした。

 

「そうそう。 合唱コンの打ち上げとか。したよねー。 っていうか。 あたしあの時も風邪ひいて行かなかったんだった、」

 

ひなたは上目遣いにその時のことを思い出していた。

 

「そうだそうだ。 学校休んで。 おれがプリントとか届けに行った・・」

 

「で。 こっちの裏が。 有希乃ちゃんのおばあちゃんの・・店。」

 

「・・そっか、」

 

ほんの2年半ほど前のことなのに。 ついこの間のことのような、すごく昔のことのような。

 

奏はしみじみと感じ入っていた。

 

「須田さんと。 連絡取ってる?」

 

「たまにLINEで。 有希乃ちゃん、何とか頑張って大学行きたいなって。 有希乃ちゃん、成績も良かったしね・・。」

 

「お母さんと。幸せに暮らしてるんだ、」

 

「バイトもバリバリやってるって。 写真も送ってもらった。 ・・髪の毛も黒くなって、小学校の頃の有希乃ちゃんみたいだった。」

 

「遠くに行った時は寂しかったけど。 須田さんにとっては良かったんだね。 なんだか・・懐かしいな、」

 

有希乃の祖母の店があったところに歩いていくと。

 

「あれ・・」

 

更地になっていた。

 

「おばあちゃん、認知症になっちゃって。 介護施設に入ったんだって・・」

 

ひなたはぽつりと言った。

 

「・・そっか・・」

 

やっぱり2年はそういう時間なのだと感じた。

 

そして二人は「浅草」を巡ります・・

 

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