Autumn shower(12) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

そして出産まであと半月ほど。

 

「とにかく、何かあったらすぐにアプリ登録してあるタクシーを呼んで。もういつでも行かれるように入院の準備はしておいてくださいね。持ち物はこの前病院でもらった書類に書いてありますから・・」

 

「はいはいはい。 もー、何十回も言わなくても、」

 

さくらは慌ただしく出かけようとする葦切のしつこいくらいの念押しにゲンナリだった。

 

「さくらさんは呑気だから・・。 今だって全然支度してないじゃないですか、」

 

マイペースのさくらは予定日まであと半月なのに全く入院準備をしておらず、子供のものも届いた荷物も解かず放りっぱなしだった。

 

「ちゃんとやりますから。 気をつけて行ってきてくださいね。」

 

さくらは玄関で靴を履いた彼に抱きついてキスをした。

 

「・・大丈夫かなあ。 ほんとに・・」

 

葦切は後ろ髪を引かれながら、スーツケースを引いて出て行った。

 

 

オケの打ち合わせで島根まで行くことになった。

 

2泊3日の予定だったが、さくらの予定日までまだ半月あるので予定通りに出張することとなった。

 

 

「さて・・と。 あー、ひとりやとなんもする気にならん、」

 

さくらはさっそくソファにゴロっと寝ころんだ。

 

おなかの赤ちゃんは今日も元気に動いている。

 

「・・いたたた・・。 この子、絶対に男の子やな・・。最近おなかもめっちゃ張るし、」

 

少し苦しそうにお腹をさすった。

 

 

 

 

その後すこしウトウトしてしまい、インターホンの音で目が覚めた。

 

「はいはいはい・・」

 

受話器を取ると

 

「あ、いた! ホントに産休してんの?」

 

モニターに映し出されたのは。

 

ボストンにいるはずの瑠依だった。

 

 

「ちょっと。来るなら来るで連絡よこしてよ。 びっくりするじゃない、」

 

さくらは開口一番文句を言った。

 

瑠依はさくらの姿をまじまじと見て

 

「さくらちゃん、ホントに妊娠してたんだな・・。 なんか新鮮、」

 

そう言ってズカズカと入って来た。

 

「どうしたのよ。 もう学校始まる時期じゃないの?」

 

「・・まあ。 そうなんだけどー。 父さんとさくらちゃんの新婚家庭にもまだ行ってないしなって、」

 

もうソファに腰かけていた。

 

「耕平さん、今日から島根に出張なのよ。」

 

さくらはキッチンへコーヒーを淹れに行った。

 

「え? こんななのに出張? 急に産気づいたらどうすんの?」

 

「だいじょぶだいじょぶ。 タクシーも夜中でもすぐ来てもらえるようにしてあるから。 病院までは車で20分くらいだしね、」

 

部屋を見回すとリビングの隅にビニールが掛かったベビーベッドが荷物置き場になっているのに気づく。

 

「なんだよ、全然準備してねえじゃん。」

 

「これからやるわよ・・。 もー。耕平さんも早く早くってうるさくて。 まだ半月もあるじゃんって。 昨日、病院行ったんだけど、まだまだそうだねって言われてるし。」

 

ここでもまた口うるさく言われてさくらはムッとした。

 

そしていきなりボストンにいるはずの瑠依が帰って来ましたが・・

 

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