Autumn shower(9) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
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すると

 

「八神、玉田も・・ちょっと、」

 

そこにいた2人を呼んだ。

 

「おまえたちも、もし子供のことで休みを取りたい、と思ったら。 仕事のことをきちんとしていくのが大前提だけれど遠慮なく言ってくれ。 おれもそうさせてもらう。」

 

斯波の言葉に二人は思わず顔を見合わせて少し驚いた。

 

「八神のところは。 年明けに二人目が生まれるんだろう? きちんと奥さんのサポートをして。 会社には有給とは別にこういう『育休』を定義づけてもらうようにおれから頼んでおくから。 子供のことで休んだりすることって『プライベートなことだから』と男は遠慮しがちだけど。 子育てはプライベートなことでありながらも、社会への『貢献』でもあると思う。子供を育て上げて社会に出すことは。 親の務めだけれど・・ 大きな目でみたら社会のためでもある。 葦切さんはちゃんと子育てをして、瑠依をこの世に送り込んだ。 それを考えたら・・いち家族のことだから、と会社がしぶい顔をすることは間違ってると思う。もちろん子供を持つことは家族の歓びだ。 でも。 それよりも仕事をしている方が上の立場だとか。 そういうのは・・少し違うと思う、」

 

普段は無口な斯波が熱弁をふるうことが珍しく

 

3人は聞入ってしまった。

 

「子育てを手伝う、ではなく。 おれたちも子育てをするという気持ちで。 妻にも仕事がある。 自分の仕事よりも妻の仕事の方が立場が下とか・・それは奢った考えだ。 どちらが大事、ではなく。 どちらも大事。 そう思って。」

 

葦切は斯波の言葉にホッとした笑顔を見せた。

 

自分が言いたかったことを斯波が理解をしてくれたことが本当に嬉しかった。

 

そこに

 

「・・子育てをして。 自分も育つという。 いい見本やなー、」

 

呑気な声がしてみんな振り返った。

 

「志藤さん、」

 

いつの間にかに志藤が来ていた。

 

「・・な、なんなんですか。 急に。」

 

斯波は何となく身の置き場がなかった。

 

「おれは。 子育てにほぼほぼノータッチの夫やったから。 ヨメとヨメの実家に頼りっきりで。 まあ子供たちも懐いてはくれてるけどー。 でも。 今子供たちが大きくなって。 あんまりおれを頼ってくれてるなって思えないもんな。 悩んだり困ったりしてることも、母親には言うけどおれには言わないとか。 おれだって子供はかわいがってきたと思ってるけど。 でも。 『子育て手伝う』レベルじゃあ。 『信頼』まではもらえないかなって、」

 

志藤は腕組みをして何となく話の輪に入ってきた。

 

男の子育てが「手伝い」の域を出ないことを何とか改めたいと思う斯波。そして志藤も・・

 

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